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青木 健
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青木 健(あおき けん)イラストレーター。 日本初のラーメン専門誌「月刊とらさん」にて漫画を連載中! ラーメンは数ではなく愛がモットー(1週間で29杯が最高)。 ラーメンをテーマにしたTシャツ屋さん【ラ部】を運営中!
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2007年08月30日

ラーメン・アクトレス

あっ、もうラジオがアップされてしまいましたね!
読んでから聴くもよし、聴いてから読むもよし。
では前口上を踏まえて(←読んでね)ラーメン女優論の発表です!!

「ラーメンを女優さんに喩えたら誰なのか?!」

ポイントは「わたしがどこを見て・感じてそう思ったのか」。
1店につき原稿用紙2枚くらいは書けますが、
そんなに書いてもしょーがないので、
キーワードというか、キャッチコピーを一言だけ考えて添えました。

ラジオではしどろもどろに説明してますけど、基本は直感!です。
だからもちろん、食べたことのある店だけしか出てきません。
では、いってみましょうか。


店名           女優名      キャッチコピー

『麺屋武蔵』       黒木瞳      優雅かつ淫靡
『青葉』         奥菜恵      清楚な挑発
『くじら軒』       宮沢りえ     価値観新基準
『博多一風堂』      山口智子     広く届く満足
『九州じゃんがら』    高岡早紀     新感覚の普及
『はるばるてい』     大塚寧々     我が道我がペース
『大文字』        鈴木京香     美的安定感
『雷文』         財前直見     竹を割った温もり
『吉村家』        飯島直子     ダイレクトな色香
『べんてん』       松下由樹     秘してセクシー
『たけちゃんにぼしらぁ麺』深津絵里     人懐っこいキレ味
『多賀野』        常盤貴子     相手を選ばぬ華
『一二三』        松たか子     生まれと躾
『中村屋』        松嶋菜々子    俊足の跳躍
『一番・胤暢番』     仲間由紀恵    新たなる古風
『我流旨味ソバ地雷源』  柴咲コウ     硬派な微笑み
『麺 高はし』      黒谷友香     玄人の憩い
『道頓堀』        西田尚美     控えめな輝き
『頑者』         水野美紀     潔き破壊力
『本丸亭』        篠原涼子     継続と一本道
『らーめん一福』     桜井幸子     瑞々しい優しさ
『かづ屋』        松雪泰子     正統派エレガント
『支那そば八雲』     伊東美咲     爽快にして優美
『支那そば八島』     長谷川京子    理想的彼女
『とうかんや』      小西真奈美    凛とした眼差し
『御天』         杉本彩      ハードに猥褻
『九十九とんこつラーメン』酒井若菜     セクシャルベイビー
『渡なべ』        深田恭子     無邪気な誘惑
『拉麺能登山』      国仲涼子     清楚に、純粋に
『なんつッ亭』      佐藤江梨子    隙のないパーツ
『69NROLLONE』 山田優      シンプル&ハイエンド
『きら星』        綾瀬はるか    濃厚な変化球
『すずらん』       宮崎あおい    魅力溢れる引き出し
『季織亭』        蒼井優      愛らしき孤高
『ラーメン専門 くぼ田』 堀北真希     小さな煌めき
『不如帰』        戸田恵梨香    可憐なる強さ
『平太周味庵』      叶姉妹      コッテリ×W
『宗家一条流がんこ』   夏木マリ     道無き道を往くが如し


店も女優さんも有名でわかりやすい組み合わせのものだけを選びましたが、
もちろん他にもあります。
でもまー、こんなこと言われても困りますよね。
だからわたしだって、「それは違うだろ」と言われても困るんですよ(^-^;
しかも、女優さんが引退しちゃったり、お店が閉店しちゃうと
修正したりしてますのでね。『らーめん天神下 大喜』なんて成長が早過ぎて、
今までに色んな女優さんに移行しています。


青木はこれをどうしたいのか? っていうとですね。
まあ、単なる自己満足ではあるんですけど、
それぞれの「文章」をなんらかの形で発表したくもあり、
理想としては「写真」を見たいですね〜。

女優さんに店員さんを演じてもらってもいいんだけども、できるなら
「各ラーメン屋さんで、それぞれの女優さんがラーメンを食べている姿」
の写真を観てみたい。似合うぜ〜絶対。
かづ屋でグラスを傾ける松雪さん、一番・胤暢番で食べてる仲間由紀恵さん
季織亭にいる蒼井優ちゃん………

          (想像中。さあご一緒に)


……いいっ! やっぱりいいわあ〜。

女優さんはカウンター席でさ、こう、麺を持ち上げて、
首を曲げてこちらを見てるわけよ。「いただきま〜す!」みたいな感じで。
今にも食べようとあーんとかしてたり。箸を持って手を合わせてたり。
それがメインカットで、食べてるところは小さい別カットで。

わたしの頭の中には、女優さんの服もメイクもアングルも思い浮かぶなあ〜。
んもー完璧に脳内ディレクションできてますね。
そんな写真集が見たい。欲しい。というか、作れたらなあ。
感動で泣くと思うわ。

夢ですね。夢。  
Posted by 青木 健 at 02:20Comments(4)TrackBack(4)

2007年08月29日

ラ女論 前口上・2

では、前口上・1からの続きです。

なんでラーメンを女性に、そして女優さんに喩えたか?


まずラーメンて、「食べたい時がウマい時!」の代表選手でしょ?
男性からみて、女性もそう(ゴホン)。
カツ丼やカレーも当てはまるかもしれないけど、
メシモノって咀嚼が多いから、全っ然、女性的じゃない。
やっぱりしなやかな麺料理こそ、女性にふさわしい。

でもパスタはちょっと違うね。華やかさはいいけど、
定番ものの種類が多過ぎるせいか「各店のオリジナル」が目立たない。
それって、女性でいえばOLとか女子大生とか看護婦とか
言ってるようなもんで、「個人」が見えにくい。
おまけに「汁気」が少ないから、いまいち女性らしさに欠ける。

汁気といえば果実もよく女性に喩えられるけど、
これは人の手が入り込む余地が少ないし、
そもそも猛烈に果実を食べたくなることってない。

蕎麦や饂飩は「油脂」がほとんどないでしょう。
色気がないってことよ。
天婦羅や鴨など、アイテムで色気を加える。
女性でも、年配の方に喩えた方が似合いそうだよね。

油脂の話が出たところで「女優さん側」から考えると、
若い女優はラーメンに喩えにくいんですな。
まだ色気が完成してないから。
20歳越えたくらいから、いい感じに脂が乗ってきます。

前口上・1で「ラーメンは店主の娘」と言いましたが、
それくらい、作り手の数だけラーメンがある。
バリエーションが豊富で、時代とともに変化・進化する。
同じようでいて、全然違う。まだ話は尽きないですが、
要するに、ラーメンが一番女性に喩えやすい。


実際にラーメンを食べた場合の例をあげましょうか。
たとえば「69‘N’ROLL ONE」で2号ラーメンを食べたとき、
その美味しさに夢中になるとともに、
「すげースタイルいいなあ〜…」
って思っちゃったわけですよ。
思っちゃったものはもうしょうがない。
「シンプルで直球で、でも単純じゃなくて…」
「気合い入ってるけど、純粋に美味しいし…」
なんて考えながら歩いていると、
町田駅に着く頃には、もう山田優ちゃんが浮かんでいるわけです。

あ〜、どこかで発表できないものかなあ。この妄想。
さて、次はいよいよ実際の店名をあげてご紹介します。


って、もう誰も話に着いて来てないかな〜(^-^;  
Posted by 青木 健 at 09:31Comments(4)TrackBack(1)

2007年08月29日

ラ女論 前口上・1


ラジオでは、このブログの
ラーメン・キャスティングが面白かった」ということで、
「Google検索してみてください」なんて紹介していただきました。

でも、全部わかる人なんてほとんどいないよね?
わたしだって、(とくにラーメン店主さんのお名前について)、
資料を見て書いたからわかるけど、そうじゃなかったら全部は無理。

「ラーメン・キャスティング」は、店主さんを主役にドラマを
作ったらどうなるか…という発想で考えたことです。

で、それに似た話をラジオの中でもしているんですが、
だったらブログでもそれなりの答えを用意しておかないと…
ということになりまして。
ただ、とってもバカ過ぎてわかりづらいことなので、
前もって説明をしておきましょうね。

「ラーメン女優論」です。
一言でいうと「ラーメンを女優で見立てる」ということ。
これは、数年前からライフワークにしていたものです。
(ラジオでは「ラーメン女優…」なんてトボケてしまいましたが)

完全にわたしの妄想です(=共感は求めておりません)。
わたしにとってラーメンは女性名詞なんですよ。
なんだそれはって? なるべく簡単に説明いたしましょう。

まず【ラーメンは女性である!】
これはよく聞きますし、かなりわかってもらえると思います。

とすれば、わたしの主張【ラーメンは店主の娘である!】
これも、当然わかってもらえるでしょう。
(だからこその「ラーメンに罪なし(子供に罪なし)」です)

となると【その娘を誰なら演じられるだろうか!】
と考えるのはごく自然…じゃないですね。なに言ってんでしょうね。
でもまあ、そう考えちゃったわけですよ。

ニコラス・ケイジ主演の映画「60セカンド」観ましたか?
主人公が「60秒以内に」車を盗むとき、その車を女性名で呼びます。
これと同じ気持ちなんですよ。あの映画を観たとき、
「おおおーー! コイツ、オレと同じだよォォォ〜〜!」
って、思いっきり共感しましたね。映画の内容は憶えてませんが。
(前口上・2に続きます)  
Posted by 青木 健 at 00:52Comments(2)TrackBack(0)

2007年08月28日

♪卑下を知るぜradio star

ということで、昨日「とらさんラジオ」の収録が無事終了。

まず大崎さんと10〜15分くらい打ち合わせ。
収録そのものは1発録りでアッサリと終わってしまったんですが、
太腿あたりにピーンと力が入るくらい緊張していたんで、
言い損ねたことや、言い忘れたことが結構あり、
スタジオを出た時には後悔の高波が…。
涙をハンカチで拭いながら、スタジオ前の砂を拾って持って帰ろうと
思いましたが、砂はありませんでした。

そんな感じで軽く凹んだ収録だったんですが、
「とらさんラジオ」の超ヘビーリスナーでもあるわたしは、
ひとつだけ決めて臨んでいたことがあるんです。それは、

「そうですね」

を極力言わないこと。

メインパーソナリティの大崎さんが「○○なんですね?」と言った時に、
あまり「そうですね」と答えないようにしよう、と心に決めていました。
そればっかりだと聴いてるのが単調かなと思って。
「笑って●いとも」の観客は嫌いですが、それとは関係ありません。

でもいざ収録中になると、これが言う言う。
しかも「そうですね」って言いながら、
(あっ、オレ今『そうですね』って言っちゃった…)とか思ってる。

あれは不思議なもので、常に第2の自分が監視してますね。

(うっわー、ちょっと、“らしくないこと”言ってるぞ)
(話すペースが早いぞオレ、うわずってるぞオレ)
(今なんか、言葉にならない言葉をつぶやいたぞ…)
(ヤバっ、ちょっと思考が飛んだ)
(大崎さんがお茶を飲む…今だけは自分の言葉を途切らすな〜)

…なんてね。監視はしても管理はできないんですが。
どれくらい実際の会話に現れているものなのかなあ。

それに比べて大崎さんは頭の回転が速いですね。
わたしの言いよどみを素早く見て取って、質問形式に変えたり、
臨機応変に対応してくださいました。

早ければ今週中にはアップされるようです。
お楽しみに〜。  
Posted by 青木 健 at 12:58Comments(5)TrackBack(1)

2007年08月27日

♪ヒゲを切るぜradio star


私事で恐縮なのですが(←ブログってそういうもの)


   「とらさんラジオ」にゲスト出演が決まりました!!


日本一ラーメンを食べた男・大崎裕史さんがメインパーソナリティをつとめ、
もう60回も続いている、ポッドキャストもできるネットラジオです。
(ポッドキャスト、よくわからずに書いてますが、要はmp3データとして
 ダウンロードしてiTuneやiPodでも聴けるということれす)


収録は月曜日。  って今日! 早く寝なくちゃ〜〜!


大崎さん発行の「月刊とらさん」で漫画を描かせていただいている関係で
お声がかかったわけなんですが、これまで出演されたゲストも、
超人気ラーメン店店主、ラーメン評論家、ラーメンフリーク、
ラーメンサイトやブログの管理人さん、製麺会社さん、
果てはラーメン好きのフルート奏者やボーカリストまで、様々な顔ぶれです。

オンエア日が決まったら、また報告しますね〜!


※タイトルは「Video Killed the radio star」のシャレです。念のため。  
Posted by 青木 健 at 03:28Comments(4)TrackBack(1)

2007年08月25日

陰で安

で、そのまま「伊藤」を出て、さあ帰ろうと思った矢先、思い出した。
すぐ近所に「インデアン」があったのを。

蓮沼にある「インディアン」は、ラーメン好きには知れた店。
「武田流古式カレーと支那そばの店 インディアン」が正式名称(だよね?)。
なんでこんな店名?ってのもよく言われることだけど、
“インディアン”ていうのは洋食業界でカレーの隠語だから、
たぶんそこから採ったんだろうね。でも王子のは「ィ」がない(笑)

「インディアン」は蓮沼、蒲田、池上にあるのだが(神保町は閉店)、
王子の店を知っている人はあまりいない。
こちらは蓮沼の先代の弟さんの店で、息子さんが引き継いでいる
とのことだが、店にはおばさんとおばあさんがいるのみだった。
(伊藤から「弟さんの店」続きだな)

蓮沼の店とは大きく違い、見た目もメニューも町の中華料理屋さん。
定食もあるし、オムライスだってある。出前もしているようだ。

ここへ来るのは初めてだけど、インディアンの流れを汲むのなら、
「支那そばと半カレーのセット」しかない。
蓮沼では、支那そばを2/3ほど食べたところを見計らい、カレーが提供される。
でも王子ではほぼ同時(笑)

しかもまず初めに出てきたのが小さなサラダ。
予想外だけど、なんだか嬉しい。
キャベツの千切り、3色のマカロニ、トマト1/4、パセリ、レモンの輪切り。
フレンチドレッシングがかかっている。パセリもレモンも残さずに食べる。

カレーも支那そばもちょっとだけ構成や味が違うものの、
塩味の支那そばと味の濃いカレーの組み合わせは同じ。
町の中華料理屋と思って入ったらかなり驚くだろうね。
貸し切り状態でしみじみと、ゆっくり食事。
AMラジオは阿久悠特集。沢田研二の「時の過ぎゆくままに」ときた。

さすがに最後は腹が重い。
ここで、おじさんが戻って来た。いまいち年齢がわからないが、
この方が「先代の弟さんの息子さん」なのかな??

会計し、見送ってくれたおばあさんのお礼の丁寧なこと。
「どうもありがとうございました。またお越し下さいませ」
飲食店であんなに優しく頭を下げる人、久し振りに会った気がする。  
Posted by 青木 健 at 16:44Comments(0)TrackBack(0)

2007年08月25日

同様なれど深奥

王子にあるラーメン店「伊藤」。
角館にある名店の支店。弟さんが営む。

昨日。アスファルトが溶けるような午後。
駅からから徒歩10数分の商店街。
涼しい時を選んでくればいいのに、なぜなのか、
ここへ来る時は、いつも炎天下だ。

ガッツリ効いた煮干しの無化調ダシと、力強い自家製麺。
メニューは、麺とスープにネギが乗っただけの「そば」と、
チャーシュー入りの「肉そば」のみ。ビールもない。
しかも肉は売り切れている。でも構わない。
ここで頼む時は、いつも「そば」ばかりだ。

最近は「大盛り150円、スープ増し100円」が追加されている。
確かに量も少なく、スープも少ない。
だから男性は「大盛りのスープ増し」を頼む客が多く、昨日もそうだった。
わたしはしない。
「そば、おかわりください」
ここで食べる時は、いつも2杯だ。

いつも同じ季節、同じ天気、同じメニュー、同じ量。
まるでピリオドのように。
しかしそれでこそわかることがある。
この店に初めて来て驚くのは、その風味と麺の歯応え。
何度か来てわかったのは、「喉」での楽しみだ。

オヤジさんもいつも同じ。
元気良く、歯切れ良く、愛想良く。
この「そば」のような人である。  
Posted by 青木 健 at 16:01Comments(0)TrackBack(0)

2007年08月24日

知らぬが神

今夜放送された「VivaVivaV6」は、
ラーメンマニアが選ぶ「塩ラーメン」ランキング。
ゲストは土田晃之とマリエ。

このブログでラーメン番組のことは書いてなかったけど、
ちょっとね、思うところあったんで書いちゃうわ。

土田は好きだし、以前「冷やしラーメン」に出た時も
完食しまくってて面白かった。
一方のマリエちゃんは、いわずと知れたお嬢様モデル。
まだ20歳にして、ラーメンは10年ぶりくらいとのこと。
(VVV6に天功が出た時の悪夢が蘇る…)

でもマリエちゃん、感受性良く楽しんでる感じ。
なにしろ、金持ち(成金じゃなく)は舌が鍛えられてるから。
レンゲを少し使ってた以外は、麺の食べっぷりもグー。
これはしつけられてるとみたね。
わたし、蕎麦でも饂飩でもパスタでも、麺の一般的な食べ方において、
ひとつ断じて許せないことがあるんだけど、それはクリアしてたからさ。
それが何かは本題じゃないから省略。

でもマリエちゃん、残ったスープにご飯を入れるのと、
同じく残りスープにフランスパンをつけて食べるのには、
抵抗があったのか眉をひそめてた。

番組はそれを悪役的に演出してて、ラーメン王・石神さんが
「これがオレ流!!」みたいな主張をすれば、ナレーションでも、

「食の好みも変わってるマリエ様」

なんて失礼な言い方で煽ってたけど、
実はわたし、マリエちゃんの気持ちわかるんだよね。

きっとマリエちゃんのようなハイクラスだと、
「荒っぽい、かつ未経験のやり方に対する不安」とか
「食事の済んだものにまた手を加える嫌悪感」
という意味の抵抗だと思うけど、こちとら一般市民は逆。

ガキの頃から、カップラーメン食べたらフツーにご飯入れてた。
今はしないけど、あの貧乏臭さが思い出されるんだよな。
それを店でやるのがみっともない。恥ずかしい。

全部が全部とは言わないけどさ。
たとえば「初代けいすけ」では小さいライスをサービスしてくれる。
それをあとで投入し、いわゆる雑炊風にしてもいいわけなんだけど、
わたしはライスはもらっても投入はせず、
別々に口に運んで、一緒に食べる。
投入しちゃうんなら、一煮立ちさた方がうまいと思うよ。
「有明」みたいに、そのためのご飯を仕込んであるとかさ。

では、このやり方を批判してるのか、というとそうじゃない。


築地「虎杖」でフランスパンに難色を示してたマリエちゃんだが、
それでも「レンゲを使ってパンにスープをかけて」いた。
そして一口食べて「おいしい!」。
わかるかなあ。ココがかなり重要なポイントなんだよね。

「食べ終わったものの中に、これから食べるものを入れる」
ではなく
「これから食べるものの上に、食べ終わったものをかける」
これは同じようでいて全然違う。

たとえばご飯を入れるんでも、薬味だけは別の小皿で提供して、
「仕立て直した」
という体裁を整えてあげるとか、そういう工夫が必要。
だって、鍋の雑炊だってそういうもんでしょ。

お金をかけたスープを最後まで楽しんでもらうという意味でも
いいアイデアだと思うんだけど、その割りにあまり広がらないのは
こういうセンシティブなところが問題なんですよ。
だから大雑把な人や慣れてる人だけの喜びで終わってる。
それにひきかえ、その場で自分なりの工夫を生み出した
マリエちゃんの柔軟さ、頭の良さ。やっぱり成長には逆境。

土田も、V6の長野・森田・井ノ原も、わかっているようでいて、
「今のラーメンを充分に楽しんでいた」に過ぎない。
マリエちゃんは無意識にではあるけれど、
「ラーメンの未来を提示した」と思うよ。
現状を打破するのは、常に門外漢だし、
知識より評価されるべきは知性なんだから。


ところで石神秀幸さん、ここ数ヶ月、ガラっとキャラ変えたね。
蘊蓄つぶやき系から、ちょっとシモ系も言っちゃうよ系になり、
今はラーメンのためなら燃えまくる、熱い説教キャラ。
テレビには喜ばれるのかな?
この次どう変わるかを楽しみに待ってます。  
Posted by 青木 健 at 02:24Comments(12)TrackBack(0)

2007年08月22日

吹き頻る新風

一昨日のことになりますが、
新宿伊勢丹「夏の大九州展」が最終日を迎えました。
ラーメン大好き人間の目当てはもちろん「博多新風」です。
連日、多くのラーメンマニアが押し掛けていたようですが、
伊勢丹の催事はよっく心得ている。フフフ。
最終日とはいえ平日。そしてこの暑さ。そこまで混雑はしていないはず。
これを待っていたのだ!(嘘です。忙しくて押してしまっただけです)

「博多新風」といえば、年頭のテレビ番組「美味しんぼ塾」で
全国選りすぐりのラーメン店が競いあう中、準優勝を勝ち取った店。
そして「凪1周年Tシャツ」に参加してくださった1軒でもあります。
わたしはぜひお会いして、一言お礼が言いたかった。
きっと忙しいだろうと思い、手紙をしたためてきました。

きっちり凪Tシャツを着て来ているにも関わらず、素知らぬ顔で、
券売所にて「もやし入り新風麺」を注文。
狙い通り、待たずに一席空いている。ラーメンの神に感謝。ラーメン。

豚骨にマー油ということで、「あっち(の店っぽい)かな〜こっちかな〜」的な
想像をしていたんですが…なるほど〜。
味を尖らすこともなく、マー油を飛び道具にすることもなく、
豚骨は実にマイルドかつしっかりした密度のスープでした。
それに麺がうまい。喰わせますね〜。つい替玉もしてしまいました。
この替玉の名前が「きもち半分」。
その名の通り、1玉の半量を替玉してくれる。
わたし、前々からこれを切望してたのよ。東京の有名店じゃ、まずないでしょ。
1杯食べて替玉、そのあともうちょい食べたい、でも…という時。
“半玉”があったらな〜って。まさかこんなところで出会うとは。
ということで、舌も腹もとても満足。
わたしが食べた伊勢丹催事の中では一番美味しかったんじゃないかな。


で、女性店員さんに手紙を渡してくれるよう頼んだんですよ。
すると「でしたら今呼んで参りますので、こちらへどうぞ!」とニッコリ笑顔。
フロアの女性店員さんたちは伊勢丹の派遣店員じゃなく、
博多新風の社員の方なのかな?
みんな凄くテキパキしてるし説明も丁寧だし声出てるし笑顔だし。

恐る恐る厨房へ少し足を踏み入れると…うわあ、こんなに人がいるの?!
「博多新風」のロゴ入り黒Tシャツがズラリ。



着てない人もあわせて……全部で10人以上いるかな?
20席くらいの店に、だよ。凄いなあ。道理でお店がスムーズなはずだよ。
アウェイだからこそ、全力で来ているということかな。

そして奥から長身の高田店長が出て来てくれました。
(おお〜、テレビで観たひとだー)と感動していると、
「今日もここに来るのに凪Tシャツ着て来たんですよ!」
と嬉しいことを言っていただき、「とらさんでも描かれてるんですよね」と、
わたしのことも(きっと生田さんから聞いて)記憶に留めてくれていました!
実にいい笑顔で対応してくださり、店の外まで見送っていただきました。
こちらこそ、ごちそうさまでした!

その爽やかな余韻に気を良くしたわたしは、他のお店も廻ってみることに。
あちこちから聞こえる九州訛り。いいね〜。10分くらい一回りして、

母に、生ゆず果汁(非加熱処理だが、それゆえビタミンが豊富で長持ちする)。
彼女に、カステラ(創業天和元年。底にザラメのついたふんわりタイプ)。
自分に、プリンを(1個630円。卵、砂糖、牛乳のみを使用)。

買って帰りました。いい日でした。おわり。  
Posted by 青木 健 at 20:27Comments(2)TrackBack(0)

2007年08月21日

冷し妄想はじめました

毎日、ほんとうに暑い日が続きますね。
最近のラーメン店では、工夫を凝らした冷やしメニューを出す店が増えています。
でもレギュラーメニューが好きなわたしは、あまり冷やしを食べない。
そんなわたしでも「食べたいなあ〜」と頭に思い描いている冷やしがあるのだ。


【その1】味のベースとなるのは、「呉汁」。
知らない人のために解説すると、水につけた大豆をすり鉢かミキサーで砕き、
ダシを加えて伸ばした味噌汁。もとは熊本の郷土料理らしい。

わたしの考える冷やしメニューは、味噌ではなく、色のためにも枝豆を使う。
あまりドロドロ過ぎないよう、ダシを少し多めに。
オリーブオイルにアンチョビとおろし生姜を混ぜ、強めに塩胡椒。
あまり細すぎない麺を水で締め、それらにからめる。
煮干し味の濃い醤油味の魚介ジュレをあしらい、
粒のままの枝豆と、松の実かクルミを散らす。
食べる直前にレモンかスダチ、カボスといった柑橘類を絞る。
ユズやシークアーサーでもいい。

それだけでも充分なんだけど、
彩りにピーマン、トマト、キュウリなど、冷やした夏野菜を生で乗せてもいい。
タマネギの角切りも合いそう。肉はなくていい。入れるなら無難に茹で豚でも。
もちろん器も冷凍庫に入れておいてね。
ああ食べたい。


【その2】もうひとつのベースとなるのは「冷や汁」。
胡麻をすり鉢であたり、味噌と輪切りのキュウリ、薬味類を入れてさらに混ぜ、
冷水で伸ばし、ざるうどん・冷麦などのつけ汁にする。これは埼玉の郷土料理。
(山形、宮崎の冷や汁はまた別もの)

こちらを冷やしメニューにするなら、逆にあまり伸ばしすぎないこと。
中細の縮れ麺がいいかな。
具がさみしいから、鶏ササミを小さめに切り、片栗粉にまぶして茹で、
氷に落としてプルプルになったものでも乗せましょうか。
いっそ、宮崎風に焼き鯵の身をほぐして入れるくらいでもいいかな。
その上からシソやミョウガ、白髪ネギなど薬味をたっぷり。
さらにラー油を多めにかけまわしてしまおう。ちょっと担々風か?
となれば、さらにすり胡麻をかけてもいいね。クラゲなんかも合うね。
細切りのタクアンと三つ葉を上に飾る。氷を小さめに砕いて入れましょう。
ああ食べたい。


呉汁も冷や汁も、実家では夏になると、母がよく作ってくれたんですよね。
どちらももう何年も食べてないからこんな妄想が…今日も暑いなあ。  
Posted by 青木 健 at 13:15Comments(2)TrackBack(0)

2007年08月17日

若者と若輩者

その日に行った、2店の若者が目につきました。

まず、がんこ八代目からも近い新店「懐かしの中華そば 賓むら(ひんむら)」へ。
駄菓子のコーナーがあったり、古いレコードが壁に貼ってあったり、
「ヨシベー」みたいなレトロ演出。
(「演出」としたのは、本当の昔の店にはそんな内装はなかったから)
甘めのスープからは独特の風味がして、なかなか美味しい。

久々にTシャツが目についた。ロゴ入り。カラーは2種。


蛍光色のTシャツそのものにレトロっぽさはないけど、
まるで駄菓子のパッケージのようで、この店舗にはハマってる。
ヤンチャそうなニイちゃんたちが2人、くっちゃべりながら働いている。
くっちゃべってはいるけど、客にはキチっとした応対をしています。


それから続けてもう1軒。こちらは「A」としておきましょう。
味も場所も伏せますが、某有名店の支店。

「賓むら」が、にぎやかで手作り感のある店内だったのに比べ、
こちらはシックで洒落ていて、粋な風情の店内。
どちらも「下町」を意識しているとはいえ、趣は全然違う。
違うことのひとつが、厨房が見えるかどうかということ。

「賓むら」は、奥の方に少しだけ厨房がのぞいているが、
調理らしい調理は確認できない。しゃべってるのも厨房でだけ。
「A」は完全なオープンキッチンで、ほぼ全ての工程が見える。

さて、
「A」には店員が5〜6人。みんな若い。
わたしの座ったカウンター席の目の前にいる店員(B君としよう)が目についた。
目は1点の空(くう)を見ていて、片方の腰に体重をあずけて立っている。

映画「タンポポ」のガン(渡辺謙)みたいに「オレ、イヤな予感がする」。
いい店にはこの手の店員がいないからだ。
無愛想や無口な店員よりずっと問題なのは、やる気のない店員。

そのB君がわたしの目の前で、シンクの生ゴミを捨てた。
両手じゃないと持てないような大きなカゴ。5〜60センチはあるかな。
その中には茶色くなった麺や具がギッシリ。それをバケツに空ける。
どろっ、どろろろろーーー(失礼)
あ、あのさー、どうしてせめて背を向けてできないんかね。
食事前の人間に汚物を見せることに、なにか良い効果でも?

 池袋の某店でも、バーみたいな洒落たオープンキッチンなのに、
 生ゴミバケツやら清掃道具やらを、客から見えるところに配置している。
 ありきたりな内装の中華料理屋より、よけいに汚さが際立つ。
 「美しさ」を、美的感覚ではなく金に頼るとこういうことになるのだ。


わたしの麺がゆでられている間、B君は指をいじったり、
ステンレスの棚に指で文字を書いたり、小学生みたいに時間を過ごしてる。
麺がゆであがると、B君ともう1人が近寄ってきて、具を乗せる。
するとB君は、誰も何も言わないのに、いきなりヘラヘラ笑いだした。
こういうのって、かなり客の血を熱くさせるね。

B君はもう1人の店員に、指でレンゲを乗せるよう指示され、
あわてて乗せ、運んできた。ああ、これはたぶん……

「オマタセマシター」

……やっぱり。差別じゃなく、体験でわかるんだよな。
月に1度は海外出張している友人に聞くと、
「大陸系ってのは『一握りの優秀な人間』と『その人間さえいれば、
 自分たちは食いっぱぐれないだろうって考える連中』しかいない」
とため息まじりに話してくれた。
それを鵜呑みにするわけでも、全員が全員そうじゃないとも思うが、
日本人でこれだったら、さすがに同僚も黙ってないだろうし。


さてこのとき、客はわたしだけになっていた。

するとわたしから椅子一つあけた席に、二十代(前半?)の男性が座った。
彼は客ではない。シフトの終わった店員だ。
半身になって座り「ハー疲れた疲れた」と言う彼は、賄いを食べるらしい。
…普通、賄いって客から離れた席や、入口から遠い席で食べないか?
わたしの席以外、全席空いてるんだよ? なぜここに?

 「隠國」の店長さんは、賄いを食べる時、注文の切れ間を見計らい、
 具のほとんど乗っていない大盛りのラーメンを作り、箸を割りながら
 裏口から外へ出た。そして5分もしない間に戻って、すぐに仕事。
 賄いの調理にも食事にも、極力時間をかけないようにしているのだ。


ガツッ、という音がしたので見ると、
C君がカウンタ−に携帯電話を投げ出した音だっだ。
「っとねー冷やつけがいい! 中で! 中目黒でおねがいしゃーす!」

極寒なシャレはさておき、なぜ彼がここに座ったかわかった。
まったく口を閉じない。まだ働いている店員たちと話したかったからなのだ。
ここからなら、厨房全体が見渡せる。
奥の方にいる店員まで彼と話すから、わたしの頭上を声が行き交う。

C君はそのまま携帯で通話、「フラレちったァ〜!」と笑って電話を切った。
電話が終わっても、「休みてェ〜〜!」「海行きてェ〜! マジで」
と、目の前の店員(店長?)に言っている。


「賓むら」は一見チャラけてるようでそんなことはない。
「A」はキチっとしてるようで、そーとーチャラい。


「A」は初めに書いたとおり超有名店の支店だけど、
その各支店ではこんな体験は1度もない。
ないというか、ありえない。とてもサービスに気を使っている店だからだ。
他の店舗だと、水を一口飲むときでも、きちんと後ろを向くしね。

一応フォローしておくが、「A」にも、黙々と仕事をしている人はいた。
帰りには大きな声で挨拶するし、おじぎも深々とする。
でもそういうお店だからこそ、だらしない点がとても目につく。
映画「タンポポ」に出てくる店「大三元」と変わらないぞ。

そんな「A」のTシャツは………って、Tシャツだったのかすら憶えてません。
それくらい頭に血が上っていたということですね。  
Posted by 青木 健 at 00:53Comments(2)TrackBack(0)

2007年08月09日

正論と結論

ここをご覧の方の半数くらいはご存知かもしれませんが、
あるラーメン掲示板のスレがプチ炎上し、結局数日で削除されました。
ラーメン屋さん情報の投稿ではそんなことはないですが、
「マナー」となると主観になりますから、燃えやすいですね。
今回は「店が客にあれこれ禁止するのはどうなんだ?」ですし、
前には「ラーメン屋での写真撮影について」にも火がつきました。

頑張って読むことはありますが、基本的に参加しません。怖いし。
ああいう場では、使ってはいけない言葉がありますね。
同じ意味でも、より尖って攻撃的になる言い回しが。
(どんな言い回しかは、書かずともわかるでしょう)
ネットでの意見交換は「8割が誤解で成立している」
という報告もあるくらいデリケートなもの。
匿名で公に参加するなら、とくに慎むべき課題。

今回の「禁止事項の多い店」に対するスレ主の不満。
これに同調し、店や店主を罵倒する書き込み。
そこへ当然のごとく「食事には【礼儀】がある」という反論。
これが発火剤となった。
にも関わらず、擁護派、否定派、そのどちらにも
「ネットでの【礼儀】」が感じられる書き込みは1割もなく、
暴言と断定と中傷と揚げ足取りが、無責任に投げ交わされた。
なぜなのか?

これは、不確定な話をしているからなのである。

わたしの敬愛する思想家でエッセイストの内田樹(たつる)さんは、
「『未来』というのは定義上、『どうなるかわからない』ものである。
 だから、『未来予測』について満場一致の合意形成が成るということは
 ふつう起こらないし、起こるべきでもない」とし、
「『わたしは正しい、お前は間違ってる』という議論と、
 『私たちはみんな間違っているのだが、それぞれの間違い方には程度差が
 あるので、いちばん間違いの少なそうな仮説に〈乗ろう〉という議論』」
 の建設性の差、知性の深浅についてわかりやすく説かれている。

議論とは、自分の主張が間違っているかもしれないという可能性を
含んだ上でされるべきであるということ。
(詳しいことについては内田さんの著書「子供は判ってくれない」の
 「話を複雑にすることの効用」をご覧ください。大変タメになります)

つまり、不確定要素を含むものについて、いくら議論したところで、
正解など出るはずもないし、それについて正論ぶちかましたり
断定的に述べることは、どんな意見だろうと構造上間違いなんだよね。
主張は自由だが、議論を投げかけるならそれなりのスタンスが要る。


他の(歴史のある)料理において、こんな議論が展開するであろうか?
少なくとも、ラーメンほど愚かしい言い合いは見たことはない。

つまり、内田さんの文章にある「未来」というのがポイント。
ラーメンというのは定義するにはあまりにも多様化した食文化であり、
いまだ限りなく進化の過程であるという、いい証拠なのだね。
そんなラーメンに対し、「○○なのだ!」って言い切っても、
「そうじゃない!」って反論しても平行線。
あらゆる料理を取り込んでいくラーメンよりも、人間の許容範囲は狭い。  
Posted by 青木 健 at 12:10Comments(2)TrackBack(1)

2007年08月04日

ヘビー・リキッド

…最近ね、年のせいなのか何なのか、


    スープが重いんですわ…。


同世代に聞いても、確かにそういう声は多くなりました。
お腹が減り過ぎていても、そんなに減っていなくてもダメ。
ちょうどいいコンディションの時じゃないとどうもイマイチ。
味そのものはともかく、「1杯を楽しむ」には容易ならざるものがある。
これはもう嗜好というより生理現象に近い。

というと、豚骨がダメになったの?と思われるかもしれませんが、
豚骨で重いと思ったことはあんまりない。
「御天」「田中商店」「ぼたん」「萬福本舗」「六角堂」…
本場を上回るような濃度といわれる店でも、スープ1滴残さないし。
替玉して紅ショウガでシメるし。
最後に残った骨粉も、こっそりドンブリに隠れてナメてるし。

二郎も、量こそ確かに多いものの、スープそのものは重くない。
わたしが重いな〜と感じちゃうのは…

【豚骨魚介】そして【鶏白湯】です。


材料費も手間もかけた美味しいものであることは認めますが、
どちらも半分くらい食べた頃、味に飽きます。
食べ終わったあと疲れます。
店を比較しても、そこまで味のバリエーションがないというか、
わかりづらいというか。
だから濃度による差別化に頼らざるを得ないのかな?とも思います。

むかし、ブレイク以前の「俺の空」や、「渡なべ」などでは、
イノシン酸爆弾みたいな味に驚きつつ食べていたものですが、
「つじ田」あたりですでに食傷気味でした…(早すぎ)。
豚骨魚介なら「青葉」くらいがわたしには丁度いい。
それから毎回感じるんですが、なぜか海苔が合わない気もします。

ただ、豚骨魚介のつけ麺は美味しいですね。
つけ麺は味つけを濃くしたり、辛味や酸味をプラスするわけですが、
それがあのスープには必要なのかなと感じます。
豚骨魚介の店では、1度ラーメンを試したあとは、大概つけ麺にしてます。


鶏白湯も、やはり濃い。
薄くては既存の鶏スープと変わらないじゃないか、鶏白湯というからには
濃くなければいかん、…とばかりに、やたらめったら濃い店が多い。
「唇がくっつくほど」というのが褒め言葉になってないか?
それって、イコール美味しさなのか?

鶏白湯なら、「臥龍」が好きです。
鶏白湯としてはやや薄め、アッサリめですが、バランスからいって
その方が麺との馴染みもよく感じます。
あまりドップリしたスープはインパクトこそあれ、麺が啜りづらいのと、
質感のギャップいうか、口に入れたとき、粘度の高いスープの中で
麺がモタモタして、あまり美味しく感じなかったり。

鶏のドロドロスープは、途中で胸がムカムカしてきてしまうことも。
京都の鶏系スープも濃度はまちまちでしたが、どれも美味しかった。
「天下一品」の本店でもどうということはなかったし、
そのすぐあとに「天天有」で食べてますからね〜。
鶏に合う濃度・粘度、というものがあるんじゃないかな?
「鶏に合う」というか、「ラーメンに合う」というか…いやそうじゃなくて
「わたしに合う」ということかもしれませんが。

「わかっちょらん! その濃さがたまらんのじゃないか!」
という人もいらっしゃると思いますし、
ちょうど合う店を探すというのも、ラ部生活の醍醐味ではありますね。

…って、スープ完飲・完食を基本にしてるからいかんのか?  
Posted by 青木 健 at 01:41Comments(2)TrackBack(0)

2007年08月01日

通リスト



先日、ラーメン王・石神秀幸さんが、ご本人初の活字のみによる著書
「ラーメンの神髄」を発売されました。

相変わらずの石神節も炸裂!していて、読書の遅いわたしも2時間弱で読了。
いわゆる石神本や、彼が監修されている漫画「ラーメン発見伝」を
熟読していれば、すでに知っていることも多いですけどね。
ただ、客に限らず店主や評論家など「他人との比較」での主張が多く、
「○○○○○…などという人がいる。しかし…」
という文体が目立つ。ちょっと攻撃的というか、反感買いそうな物言い。
普段からよっぽど不満だったんかいな、と思っちゃいますね。
でもこれが石神さんの真骨頂(といったら皮肉かしら)。
ところで、わたしが気になったのが次の一文。

「通を気取るために無理矢理、作法を作って語る輩がいます」

どおぉう、ラ部には作法がこれでもかってくらいありますが(^-^;
「通を気取る」か………とちょっぴり凹まされましたが、その夜のこと。


昨年放送されたNHKの番組が再放送されました。
その名も“通” (焼肉編)です。これも縁かと観てみることに。

YAKINIQUEST(ヤキニクエスト:焼肉をこよなく愛する集団)
という方々が登場し、焼肉のこだわりについて語るという番組。
芸人・ますだ岡田にYAKINIQUEST流の食べ方を指南し、
彼らを驚愕させながら焼肉のディープゾーンへ誘っていくのです。
そこにアナウンサーの実況とともに服部幸應さんが解説を加えます。
ほかにも有名店主がそれぞれオススメの食べ方を紹介したり、
松村邦洋と中川翔子が語ってたりと、実に面白かった。

そしてココがわたしの琴線を引き千切るほどに触れたのですが、
YAKINIQUESTが、こんな言葉を連発していたんです。

 手かざし温度チェック、1枚入魂、スタビライザー、レモン直搾り、
 肉汁でのやけどは名誉の勲章、ファットファースト、鶴の構え、
 追いダレ、RRS(ローリング・ロース・スペシャル)、リーンバック、
 オートリーンバック、ブリッジ…


すべて、焼肉を焼く際に使う「技」の名前。
焼肉に関しての用語として、彼らが命名したものです。

そして、最後にYAKINIQUESTのひとりの方がこう言ったんですよ。

「今日ぼくら、色んな技とかやったんですけど、
 やっぱりああいうのが本当に正しいかどうかってのは別にして、
 積極的に自分が“焼き”にかかわって、
 どうしたら美味しく焼けるのかなっていうのを探求していく
 っていうのがぼくらの言いたいことなんですね」



そうっ!!!!!!

そうなんだよーー!  気付くとテレビを抱きしめていました。
わたしも誰かに啓蒙しようなんて考えはない(嘘。少しはある)。
自分はどうしたらより美味しく食べられるだろうということを
常に問いかけているだけなんだよね。
技の名前とかも、その気持ちを補強する要素でしょう。
同じことやってるわたしには痛いほどわかる。


で、石神さんの話に戻りますが、彼はこうも書いています。

「強いて言うならば『ラーメンがまずくならないための食べ方』
 —これが、正しい食べ方と言えるのではないでしょうか」

それが作法の基本理念でしょうにとツッコミたくなりますが、
わたしはそれを自分に課して、研究・実践しているに過ぎんのですよね。
(なんだかんだいって、石神さん本人もいくつか作法を書いてますしね)

だからわたしの作法は主に、どういう姿勢で臨むか。
つまりラーメン以外の食でも当てはまることが多いのです。


先ほどの番組の最後には、焼肉の聖地・大阪鶴橋で、好き勝手に
自己流コダワリ焼肉を堪能する人たちが紹介されました。
網いっぱいに肉を広げ、サンチュにご飯・味噌とともに巻いて食べる人、
ホルモンのタレをキャベツに塗って焦げを防ぎ、最後は一緒に食べる人、
それぞれが独自路線の作法を用いて楽しんでいる。

確かに、客の調理性が高い焼肉とラーメンとでは違いますけどね。
でも、
チャーシューをスープに沈める人、「麺固め」を盲目的に頼む人、断固拒む人、
固ゆで玉子をレンゲ上で崩す人、スープを吸った海苔でご飯を食べる人、
つけ麺の麺は、まずは何もつけずに食べる人、つけダレをぶっかける人、
ラーメンの麺をご飯の上に乗せて食べる人、油そばを飯割りする人、
…これで結構たくさんの楽しみ方が存在するんですよね。

映画「タンポポ」の大友柳太郎演じるラーメンの先生が、渡辺謙に
「先生、最初は麺からですか?スープからですか?」と問われてこう答えます。
「まずは、ラーメンをよく見ます」

ラーメン界のイチローと呼ばれる「ちゃぶ屋」の森住さんは、
ラーメンフリークがしている「手仰ぎで匂いを嗅ぎ」「じっくり撮影し」
「森住さんを見つめながら食う」ことに苦笑いしていました。

「ラーメンを、美味しく、楽しく、面白く」
自称日本一ラーメンを食べた男・大崎裕史さんの言葉です。


「美味しく味わう」ことへの近道を「通」るためなら
「通気取り」と言われることも、作法を捨てることも厭わない。
それもまた、きっとラーメンが教えてくれる。  
Posted by 青木 健 at 14:10Comments(2)TrackBack(1)