2007年10月28日
天にぼし、地にぼし、人にぼし

最近のラーメン・トレンドのひとつが「煮干し」。
首都圏で強烈に煮干しを効かせている店といったら
なんといっても「永福町大勝軒」。
その影響を感じさせる「二葉」「むらもと」などが有名だったけど、
最近では、豚骨魚介の隆盛とともに「ズッシリとした重量感を
伴った煮干し味」をメインにした店・メニューも、続々登場している。
火付け役は角館に本店を持つ、王子の「伊藤」。
そして今は、「遊」「つし馬」「はじめ」「裏不如帰」「南部」などが話題を集め、
「69‘N’ROLL ONE」では裏メニューとして「ニボニボ」なる
煮干し味のラーメンが出されていたりする。
そんな中、少し前に訪れた煮干し系が「ふくもり」。
先頃、NY支店がニューヨークタイムズにまで取り上げられた
「せたが屋」ブランドの1店。
黄色い電光看板に赤い文字。時代を逆行するような店構え。
それを助長するような漫画、座敷、子供用のクジ。
煮干しという食材とともに原点に戻る…というよりは、
むしろオシャレに走る時代を皮肉っているようにも思えるのだが、
それは考え過ぎかな。
この店のユニフォームTシャツは綺麗なブル−。
バックには店名の「ふくもり」ではなく、「煮干」と入っている。
フロント部はよく観ることが出来なかったのだが、
やはり同じマークが胸に小さく入っていた。
それくらいこの店のウリも「煮干し」なのだ。
入口の扉には「当店は煮干しの味が強いです」というような
注意書きが貼ってあるくらい。
煮干し煮干し言ってきましたが、確かに煮干しがトレンドのひとつと
されているのは間違いない。でも、ちょっと腑に落ちないのよ。
先ほどあげた数店を振り返ると、
「遊」は伊藤で修行した息子さんだし、「つし馬」は「田中商店」のセカンドブランド。
「はじめ」と「裏不如帰」は有名店の二毛作、「69‘N’ROLL ONE」は裏メニューだし、
「南部」は「ふくもり」同様「せたが屋」のネクストブランド。
いずれもまったくの新規店と呼ぶには、やや語弊がある。
すでに認められた職人や人気店が打ち出しているんだよね。
完全に0から、とまでは言わないが、自分にしかない煮干し味を作り出し、
それだけで勝負する人が現れないと、単に一過性のもので終わりかねない。
そんなニボシズムに溢れた新人をこそ、わたしは待っている。

