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青木 健
青木 健foaf.rdf
青木 健(あおき けん)イラストレーター他。 日本初のラーメン専門誌「月刊とらさん」にて漫画を連載中! ラーメンは数ではなく愛がモットー(1週間で29杯が最高)。 ラーメンをテーマにしたTシャツ屋さん【ラ部】を運営中!
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2008年02月21日

天と地と

前の日記の続き)
今食べた味は、まさにラーメンの限界を押し広げるように、
上へ上へと新芽のように伸びている味だ。
その一方、すぐ近所に、地面に根を張るようなラーメンがあるじゃないか。

ラーメンマニアの皆さん、声を揃えて…さん、はい…

「共楽」です!

ここのご主人は國村隼さんに演じていただきたいですね〜。
(くじら軒のご主人も國村さんに喩えてましたが、ラーメン屋さんが似合うんですね
あの俳優さんは。「光江」のご主人も似合いそう…)
相変わらず、券売機で券を買わずに中へ行ったが、珍しく奥へ通された。

店員さんはどんどん通すので、あとから奥へ入ってきたお客さんが
相席なのに驚いて「…あ、いいですか」なんて一幕も。
浅草の蕎麦屋なんかで相席の時に、先の人に「失礼します」って声をかけると、
「どうも、お先に」なんて言って帰って行くんだよね。
その後から入ってきたオネーさん、そういうトコロやぞ。
さてさて。



中華そば650円。
はじめは舌にヒリっとくるほどの煮干し風味も、
少し浮いた背脂のせいか、やがて気にならなくなる。
いわゆる的ラーメンだと理解が早いのね、わたしは。
しっかりした麺に、ベタ甘いメンマ。輪切りのネギたち。
チャーシューのぶりんぶりんした脂。
もうさ、わざと片肘ついて食べたくなっちゃうよ。愛ゆえに。
わかるかな〜この感覚。

かたや贅沢で、先進的で、繊細で。
かたやリーズナブルで、クラシックで、ダイレクト。

この差、この振り幅こそ、ラーメンよ。
(C)ランバ・ラル  
Posted by 青木 健 at 03:03Comments(0)TrackBack(0)

2008年02月21日

FOUR SEASONS



…誕生日の4軒目…の前に、今日のラーメンをお話しましょう。

「博多一風堂」店主・河原成美が、年に数回、
博多・大名本店に全国の店長を集結させ、
1日限りのラーメンを提供するイベント、それが
「四季のラーメン」。

今回は、年末に行われた11作目のメニューを引っさげ、
ニューヨーク出店の前哨戦ともいうべき、「銀座 五行」での開催です。

こういうものには以外と足が向かない方なのだけど、
凪Tシャツの関係でDMが届いたので、
勇気を振り絞って恥ずかしながら恐縮ですが参加することに。
…っておいおい、やっぱりスーツ多過ぎだよ。
(わたしはパーカーなのね…)

実は「銀座 五行」には初めてなんですけど、
ファサード(入口外観)はどことなくあれね、
老舗のBARかステーキハウスのような感じね。

スタッフさんも多く、それぞれ行列のポイントで客を促している。
時折、「お待たせしてすみません」と全員に頭を下げにきます。
あーいえいえわたしなんかがこのような所にこんな格好で…

…と、わたしの2人前に、見覚えのあるご夫婦が。
(あっ、●●●の●●さんじゃないか…別人か?いや今日は定休日だし…)
ということでご挨拶。前に1度会ってるというだけですが。
他にもラーメン好きなら一目で分かる有名店主が何人もいらっしゃいました。
やはり河原さんは店主さんたちにも慕われているのですね〜。
ラーメン好きのお仲間としては、FILEさんと遭遇。

てことで、30分ほど待ったかな。
「整理券47、48、49番の方までどうぞ〜」
わたしは48番でした。

ではまずですね。前作「12 in NY(ディッセンバー・イン・ニューヨーク)」
を進化させたという今回のラーメンの説明を引用しますので、どうぞ。

「花の東京ど真ん中
   オイスターチャウダー2008“小さなフォカッチャを添えて”

 アメリカの代表的なスープであるチャウダーと日本のソウルフード・
ラーメンの融合。(中略)スープは真白なベシャメルソースに三種類の
オイスターペーストを溶かし入れ、清湯で丁寧に伸ばしました。優しく
まろやかな口当たり。その奥から牡蠣の濃厚な風味が立ちのぼってきます。

 麺には蕎麦のつなぎ粉を使用し、牡蠣の殻で作った鹹水でまとめあげました。
かみしめると、強い小麦の香りが鼻孔をくすぐります。

 ガーリックオイルを練り込み、香ばしく焼き上げたフォカッチャも、
実は新しい麺の提案です。中国ではパンも麺の1種。ひと口大にちぎって
スープに浮かべれば、まったく食感の違う二種類の麺の競演が楽しめます。

 ふわふわしたメレンゲを和だしでまるく固めた上に、グラナパダーノチーズ
を雪のように散りばめ、トリュフオイルが贅沢な香りを添える。
まずはスパークリングワインで軽くのどを潤してから、伝統を前衛で描き出す
ニューヨークスタイルを体感してください。」


これ、じっくり読んでおけばよかったかな。
でも先入観もって食べるの好きじゃないから、読まなかったんですよ。
ハイ、それを踏まえて…

入口で、飲み物はシャンパンかペリエかを聞かれる。
わたしはシャンペン…もといシャンパンです。

席に着く。うーん、窓際の2人席は気持ち良さそうだけど、
この大テーブルはちょっと向かい側や隣と距離が近いかな。



シャンパンと、これは冷やした玄米茶かな。香ばしいお茶が。
ごっくり。
シャンパンですね。シャンパンです(語れる言葉を持たない)。

次に、牡蠣の…薫製の?…オイル漬け?とフォカッチャが登場。
食べ方について店員さんが説明してくれます。
フォカッチャをちぎり、オイルにつけたりして食べ、
最後にはスープに投入しちゃってくださいとのこと。
いやー、この店員さんの笑顔の眩しいこと。男惚れしますな。

ではご説明の通り、ちぎっては投げちぎっては投げ…もとい食べます。
このフォカッチャ、ふっかふかで温かいんですよ。
温めてもいると思うんですが、実際焼きたてっぽいですね。
これは途中で気付いたんですが、中央あたりには
赤いもの(唐辛子?)が練り込んでありました。憎い小技ですね。



牡蠣のオイルにつけて食べていると…あと5杯くらいシャンパンが欲しい。



ほんとはフォカッチャを少し食べたくらいがいいタイミングかもしれないですが、
ほぼ同時にラーメンも登場でした。
深い青紫の浅い器に、淡黄色のラーメンが眩しい。
細かく唐辛子の赤が散り、とても細かく刻んだ青葱が添えられ、
さらにその中央にはこんもりとチーズが鎮座。



おお〜美味しい。じわじわ楽しみたくなるというかな。
ゴクゴクさせない味ですよ。レンゲは止まらないんですが。
ちょっとずつチーズを溶かしながら楽しみます。
でもこれってなに? なんで出来てるスープなのかな?
いや牡蠣ですよ、牡蠣なのはわかるけど、あとはなんだろか。
…サッパリです。
油もちゃんと浮いてるんだな〜と思ってましたが、
トリュフオイルだなんてまったくわかりませんでした。
だって、トリュフオイルを味わったことがないんだもんね。
ええ、ラーメンバカの舌の経験値の少なさが露呈しまくりです。

優しい細麺もスルスルとスープを運んでくれましたが、
全体のビジュアルを壊すように混ぜないと、引きずり出せないのが難点。

いきなりガーっと混ぜるのはイヤなわたし。
ちゃんとチーズがすぐに溶けてしまわないよう工夫されてまして、
でもそれゆえ溶けにくくもある。
わかりやすく言うと「金田一少年の事件簿」の、牛乳の膜トリックのような状態。
…ってよけいわかりずらいね。
なので、早めに沈めておいて後で混ぜればよかったかも。

青葱の風味は、なにか別のものでも良かったような…。
でもそういうことしてくと、ラーメンじゃなくなっちゃうか。

チーズの下あたりには小さなサイコロ状のゆでジャガイモがごろごろ。
スープの中にはやはり火の通った玉葱も少し入っています。
そして驚いたのは、ラストの方で、なにやら肉のようなものが入っていたこと。
小さいので、なんだかよくわからなかったんですが、これはビックリでした。
まるで「麺屋 武蔵」の柚子のように肉(?)が出てくるとは。



で、さっき言われた通り、フォカッチャぶっこみです。
途中、つけて食べたりもしてたんですが、その時の食感とは
まったく変わって、ぶちゅぶちゅしたパンが汁を吸って面白い。
これをあえて“麺”と定義するところに、何か新たな地平が見えます。
(中国で麺は小麦粉と同義ですが、それとは意味が違ってね)

最後、ほんとにスープが残り少なくなった時、河原さんが廻ってきました。
手にはペッパーミル。「最後は味を引き締めて楽しんでください」と言って
自ら黒胡椒を挽いてくれます。
あ〜、いいですね〜。1つのスープを中心にしたコースという感じです。
この行為ひとつにも、作者としての責任感が垣間見えます。

量はさして多くないですが、満足感はありました。
でも2000円という料金を最大限満喫するには、
腹でなく、舌のレベルが高くないとナニかもしれません。

で、帰りには、ヒヤヒヤド緊張しながら河原さんにご挨拶。
こういう時って普通「いかがでした?」って聞かれるのかと思ってたら、
河原さん、わたしにも(ちょっと見た感じでは)他のお客さんにも、
そんなことは言わないんですね。
まずはお客様ありき、という応対をされていました。
仕事中だからと焦った顔もまったくしないし、
写真撮影にも、イヤな顔ひとつせず応えまくってましたし。
人の厚みみたいなものをバッシバシ感じましたね。

ご馳走さまでした。

で、普通はこの余韻に包まれて帰るところでしょうが……
このオシャレなビルの上から銀座の路上に降りて来て、
わたしは、ある思いにとらわれました。
(次の日記に続く)  
Posted by 青木 健 at 01:45Comments(4)TrackBack(1)