2008年03月22日
未来消失図
そんなわけで、その翌日「十八番」に忘れた酒粕を取りに行きました。
ちゃんと冷蔵庫にしまっていてくれました(なので、固まっております)。
それからすぐに引き返そうと思っていたんですが、
バス停まで行く途中、ちょうど「CHABUTON」の辺りで、
香門ピカイチさんが言ってた言葉を思い出したんです。
「昔あった有名な方じゃなくて、駅に近い方の『丸福』が好きなんですよ」
そういえば、ここんとこ行ってない。
そしてもうひとつの言葉も思い出した。
「あの界隈、区画整理されるそうなんですよ」
降りしきる雨の中、5秒考えて、小さな北口商店街へ。
花屋さんが店頭の花を片付けている。
居酒屋の奥さんが、店を出た客に忘れ物のタバコを走って届けている。
久々の「丸福」。
今じゃバッシングされそうな蛍光灯。
ゆるゆると回る木の落とし蓋と、ぶくぶくと鳴るお湯。
「物を掛けないでください」と書いてあるノレン収納用フック。
お玉の底でスープの脂をはじく仕草。足元の白い長靴。
帽子の影からそれらに見とれていれば、
団塊の世代らしき5人の会社員の会話も耳に入りません。
先にその5人の分が出来上がり、わたしの分になるわけですが、
そこでわたしはハっと気付いて、
「あ…玉子そばに変えてもらっていいですか?」
と申し出を。
この時に「ハイ」と言ったご主人の表情がとっても邪気がなくて、
わたしは思わず頬が熱くなってしまいました。

玉子そば700円
ああ、なんだか「店」を食ってるような感覚。
食べる加速を止められない。
…ごちそうさま。
財布には1万円札しかなかった。
面倒だったらそれで済ませるところだけど、なんとなく申し訳なくて、
小銭入れを探すと…ちゃんと700円ありました。
こうなってくると、それだけで帰るというわけにもいかなくなってくる。
「邪宗門」へ。
(今度は先に小銭を数えてから入る)

50年以上の歴史を持つこの喫茶店の、窓際の席で、
道行く人を見下ろしながら時間を止めるのが好きなんです。
ここには「ゴルゴ13」や「浮遊雲」などシブ系漫画が置いてあるんですが、
昔「ブラックジャック」の3巻に収録されている「血が止まらない」
(クレームがあり、文庫判・愛蔵版などには収録されていない)
を読んでいたときのこと。
その話の最後のページを読んだわたしは、その場で号泣してしまいました。
他に客がいなくて助かった。

あと何回来られるんだろう。
あまりに自分が心を許している店というのは、
それはもう旧知の友のようなもので、苦い経験も、
甘い思い出もあるわけで、歴史の一部というか、体の一部というか。
古い店だからノスタルジーを感じて…というのとは全く違うんですよね。
大勝軒閉店の大行列について、
(そりゃまあ、単なる観光、イベント目的の人も含まれただろうけど)
「まったくあの狂乱騒ぎはなんだったのか」
なんて書いちゃう人には、通じないかもな…。
ちゃんと冷蔵庫にしまっていてくれました(なので、固まっております)。
それからすぐに引き返そうと思っていたんですが、
バス停まで行く途中、ちょうど「CHABUTON」の辺りで、
香門ピカイチさんが言ってた言葉を思い出したんです。
「昔あった有名な方じゃなくて、駅に近い方の『丸福』が好きなんですよ」
そういえば、ここんとこ行ってない。
そしてもうひとつの言葉も思い出した。
「あの界隈、区画整理されるそうなんですよ」
降りしきる雨の中、5秒考えて、小さな北口商店街へ。
花屋さんが店頭の花を片付けている。
居酒屋の奥さんが、店を出た客に忘れ物のタバコを走って届けている。
久々の「丸福」。
今じゃバッシングされそうな蛍光灯。
ゆるゆると回る木の落とし蓋と、ぶくぶくと鳴るお湯。
「物を掛けないでください」と書いてあるノレン収納用フック。
お玉の底でスープの脂をはじく仕草。足元の白い長靴。
帽子の影からそれらに見とれていれば、
団塊の世代らしき5人の会社員の会話も耳に入りません。
先にその5人の分が出来上がり、わたしの分になるわけですが、
そこでわたしはハっと気付いて、
「あ…玉子そばに変えてもらっていいですか?」
と申し出を。
この時に「ハイ」と言ったご主人の表情がとっても邪気がなくて、
わたしは思わず頬が熱くなってしまいました。

玉子そば700円
ああ、なんだか「店」を食ってるような感覚。
食べる加速を止められない。
…ごちそうさま。
財布には1万円札しかなかった。
面倒だったらそれで済ませるところだけど、なんとなく申し訳なくて、
小銭入れを探すと…ちゃんと700円ありました。
こうなってくると、それだけで帰るというわけにもいかなくなってくる。
「邪宗門」へ。
(今度は先に小銭を数えてから入る)

50年以上の歴史を持つこの喫茶店の、窓際の席で、
道行く人を見下ろしながら時間を止めるのが好きなんです。
ここには「ゴルゴ13」や「浮遊雲」などシブ系漫画が置いてあるんですが、
昔「ブラックジャック」の3巻に収録されている「血が止まらない」
(クレームがあり、文庫判・愛蔵版などには収録されていない)
を読んでいたときのこと。
その話の最後のページを読んだわたしは、その場で号泣してしまいました。
他に客がいなくて助かった。

あと何回来られるんだろう。
あまりに自分が心を許している店というのは、
それはもう旧知の友のようなもので、苦い経験も、
甘い思い出もあるわけで、歴史の一部というか、体の一部というか。
古い店だからノスタルジーを感じて…というのとは全く違うんですよね。
大勝軒閉店の大行列について、
(そりゃまあ、単なる観光、イベント目的の人も含まれただろうけど)
「まったくあの狂乱騒ぎはなんだったのか」
なんて書いちゃう人には、通じないかもな…。

