2008年07月28日
八熱地獄:憩
「ぶちうま」のあと、喫茶店で小休止。
駅を下り、一旦道を間違えた時に目にして、入りたいなと思ったのです。
近くにドトールやサンマルクがありますが、急いでいるならともかく、
その土地ならではの店を楽しみたい。こんな時でも。
「コーヒー ロン」
歳の頃なら24、5か? とても明るい感じの女の子が働いています。
小さな厨房にいる白髪頭のオジさんと、家族のような雰囲気で会話しています。
チェーン店でバイト同士が無駄口たたいていると感じ悪いですが、
個人店なら、そういうのも魅力になりますね。まさに看板娘。
ミルクはいらないと言うと、
「あ、ハイ、ありがとうございます」
よくあるマニュアルなら「かしこまりました」でしょうね。
すぐに出ませんよ。ありがとうという言葉は。
毎日きちんと拭き掃除しているのがわかる革張りの紅い椅子。
そういうのは、チリが落ちているとかではなく、伝わるもの。
かなり素敵な喫茶店。
味こそ、取り立てたものでもないですが、四ッ谷駅すぐの個人店で
コーヒー1杯450円なんですから文句言っちゃいけません。
コーヒーを飲みながら、ひとりアイデア会議。
40分程しかいませんでしたが、こんな時ほどアイデアがぽんぽこ出るもの。
さ、休みはこれくらいにして、地獄巡りの4丁目、いざ「こうや」へ!!
2008年07月28日
八熱地獄:参
ラーメン八熱地獄巡り:其の参
衆合地獄! 〜広島つけ麺の誘惑
七転八倒した、翌日。
続いての地獄は「広島つけ麺 ぶちうま 四谷本店」です。
首都圏でのつけ麺とは異なる出生、成長を遂げたとされる
広島つけ麺は、基本からかなり辛いものなのです。
一時、専門店があちこちに出来ましたが、今ではほとんどが撤退して
しまいました。そんな中、この店は3店舗で頑張っています。
「辛さって、40辛までなんですよね?」
と聞いてみる。それ以上もあるが、追加料金なのだそう。あ、なるほどね。
じゃあ40でいいや。デフォルトで900円もするし(ドケチ)。
「1玉、40辛でお願いします」
すると、40辛などは大したことないのだと思ったのか、
隣のオジさん(5辛で注文)が「やっぱり10辛にして〜」と。
…オジさんも釣られる。
水差しの水がなくなっていたので、店員に手渡す。
激辛巡礼者たるもの、水の確保は死活問題。
まず、つけ汁が出てくる。元々スープにトマトを使っているから、
赤さは10辛と大して変わらない……と思う。

つけめん(1玉 40辛)900円
ど〜れ。味見を。箸先につけて舐める。
箸先はスカーレットに染まったが、辛さはそんなに……
と思った次の瞬間、バチバチと舌で弾け、うっかり喉に詰まらせてしまった。
ウガッ(しまった、咽せた!)
ヤバい。麺も出て来てないこの時点で咳き込んだらカッコ悪過ぎる!
は、早く水差しをプリーズ………!
(なんでもないよ〜、咽せるのを我慢なんかしてないよ〜)
という顔で、落ち着いて水を注ぐ。
んゴっ、んゴっ、んゴっ…ふう。
確かにそこまで辛いわけじゃないが、油断してはダメだ。
辛さが常識の範囲内だからか、なかなか深みのある辛さというか、
色々な旨味もすぐに感じられる。
動物・魚介・トマトのトリプルスープだそうだけど、
そこまではさすがにわかりませんね。

それから、麺の器が出てきます(一番上の写真)。
ここの麺はとにかく固め。バキバキ。
コシ云々をさておいても、とても固く茹でられている。
初めて食べた時はかなり疑問だったが、2度3度食べるうち、今ではフツーに。
汁に絡めても麺の存在感は強く、唐辛子の香ばしさと相性良し。
チャーシューは小さめが3枚。1枚はスープに浸さずにダイレクト・イン。
麺の上に盛られた具:たっぷりの白髪葱、細切りの胡瓜、茹でキャベツが
冷たさと自然な甘さで、辛さを中和してくれ、いい口休めに。
途中で櫛切りのレモンを搾り、麺に回しかける。
つけ汁が激辛なので微妙なところだが、気持ち、涼しげな味に。
で、残ったレモンはそのまま食う!
麺がなくなってきて、スープをそのまま飲む(凝りもせずに)。
ゴマの香ばしさ、トマトの甘みや酸味が爽やかですらある。
具などのお陰もあるが、辛いものが好きだという人にならちょうどいいかな。
「これ以上は追加料金」というのはつまり防御策で、
怖いもの知らずの粗忽者がうっかり頼まないようにしてあるのでしょう。
隣のオジさんは途中でキャベツを追加していた。
わたしもたまにするが、確かによく合う。
1. 5玉、キャベツトッピングで30辛、くらいがわたしには丁度いい。
もう2玉くらいなら食べられそうなくらいにスープが残る。
ここにこの店のオススメ。「しめごはん100円」を追加。
スープ割りのように器を出すと、ご飯を入れてくれるのね。
するとおじや風の美味しい一品に早変わり〜。
(マッハさん語でいうところの“メシ割り”か)
辛さ以外の味が立ってきて、違った味として楽しめます。

でもね!
ご飯、固まり過ぎよ!! ダマになってる感じよ!!
1〜2センチずつ固まってて、食感が悪過ぎますよ!
炊きあがった時にちゃんとほぐしてるの?!
そこそこの時間で炊き直してるの?!
んもー、勘弁してくださいよっ!

で、汁完。
さてさて、食べてすぐ、目と鼻の先の「こうや」に行くのも
なんだかバカっぽい(今さら)。
どこかでコーヒーブレイクでもしてからにしましょう。
衆合地獄! 〜広島つけ麺の誘惑
七転八倒した、翌日。
続いての地獄は「広島つけ麺 ぶちうま 四谷本店」です。
首都圏でのつけ麺とは異なる出生、成長を遂げたとされる
広島つけ麺は、基本からかなり辛いものなのです。
一時、専門店があちこちに出来ましたが、今ではほとんどが撤退して
しまいました。そんな中、この店は3店舗で頑張っています。
「辛さって、40辛までなんですよね?」
と聞いてみる。それ以上もあるが、追加料金なのだそう。あ、なるほどね。
じゃあ40でいいや。デフォルトで900円もするし(ドケチ)。
「1玉、40辛でお願いします」
すると、40辛などは大したことないのだと思ったのか、
隣のオジさん(5辛で注文)が「やっぱり10辛にして〜」と。
…オジさんも釣られる。
水差しの水がなくなっていたので、店員に手渡す。
激辛巡礼者たるもの、水の確保は死活問題。
まず、つけ汁が出てくる。元々スープにトマトを使っているから、
赤さは10辛と大して変わらない……と思う。

つけめん(1玉 40辛)900円
ど〜れ。味見を。箸先につけて舐める。
箸先はスカーレットに染まったが、辛さはそんなに……
と思った次の瞬間、バチバチと舌で弾け、うっかり喉に詰まらせてしまった。
ウガッ(しまった、咽せた!)
ヤバい。麺も出て来てないこの時点で咳き込んだらカッコ悪過ぎる!
は、早く水差しをプリーズ………!
(なんでもないよ〜、咽せるのを我慢なんかしてないよ〜)
という顔で、落ち着いて水を注ぐ。
んゴっ、んゴっ、んゴっ…ふう。
確かにそこまで辛いわけじゃないが、油断してはダメだ。
辛さが常識の範囲内だからか、なかなか深みのある辛さというか、
色々な旨味もすぐに感じられる。
動物・魚介・トマトのトリプルスープだそうだけど、
そこまではさすがにわかりませんね。

それから、麺の器が出てきます(一番上の写真)。
ここの麺はとにかく固め。バキバキ。
コシ云々をさておいても、とても固く茹でられている。
初めて食べた時はかなり疑問だったが、2度3度食べるうち、今ではフツーに。
汁に絡めても麺の存在感は強く、唐辛子の香ばしさと相性良し。
チャーシューは小さめが3枚。1枚はスープに浸さずにダイレクト・イン。
麺の上に盛られた具:たっぷりの白髪葱、細切りの胡瓜、茹でキャベツが
冷たさと自然な甘さで、辛さを中和してくれ、いい口休めに。
途中で櫛切りのレモンを搾り、麺に回しかける。
つけ汁が激辛なので微妙なところだが、気持ち、涼しげな味に。
で、残ったレモンはそのまま食う!
麺がなくなってきて、スープをそのまま飲む(凝りもせずに)。
ゴマの香ばしさ、トマトの甘みや酸味が爽やかですらある。
具などのお陰もあるが、辛いものが好きだという人にならちょうどいいかな。
「これ以上は追加料金」というのはつまり防御策で、
怖いもの知らずの粗忽者がうっかり頼まないようにしてあるのでしょう。
隣のオジさんは途中でキャベツを追加していた。
わたしもたまにするが、確かによく合う。
1. 5玉、キャベツトッピングで30辛、くらいがわたしには丁度いい。
もう2玉くらいなら食べられそうなくらいにスープが残る。
ここにこの店のオススメ。「しめごはん100円」を追加。
スープ割りのように器を出すと、ご飯を入れてくれるのね。
するとおじや風の美味しい一品に早変わり〜。
(マッハさん語でいうところの“メシ割り”か)
辛さ以外の味が立ってきて、違った味として楽しめます。

でもね!
ご飯、固まり過ぎよ!! ダマになってる感じよ!!
1〜2センチずつ固まってて、食感が悪過ぎますよ!
炊きあがった時にちゃんとほぐしてるの?!
そこそこの時間で炊き直してるの?!
んもー、勘弁してくださいよっ!

で、汁完。
さてさて、食べてすぐ、目と鼻の先の「こうや」に行くのも
なんだかバカっぽい(今さら)。
どこかでコーヒーブレイクでもしてからにしましょう。
2008年07月28日
八熱地獄:厠
さて初日、「井の庄」「蒙古タンメン中本」連食という
荒行(自分にとっては)を終え、わたしは満足していました。
帰宅して2時間が経ち、3時間が経ち…。
時間を追うごとに、腹が熱く、重くなっていきます。
う〜〜〜〜む。
なんでしょう、この焦燥感。
激辛くんが腸まで来たのがよくわかるのです。
それでもわたしは知らないフリを決め込んでいました。
気付かないを装えば、体もそれに反応してくれるかと…
しかし、現実は甘くなく、まさに激辛。
かくして、その日の夜は、
短時間でトイレに駆け込み続けるという、眠れない夜となりました。
♪眠れな〜い夜の〜腹の痛さ〜 忘れかけてた辛さよみがえるぅ〜
くだらない替え歌もまったく笑えません。
マンガ「俺節」的に言えば、
「男の引き際が問われるない!!」「つきゅ〜〜ん」byあーちゃん
てな具合。
トイレでは、3種類の意味で絶叫します。
なにがどう3種類なのかは、あまりに尾籠ですのでここには書けません。
激辛初心者の方、「赤唐辛子系の激辛連食」にはくれぐれもご用心。
荒行(自分にとっては)を終え、わたしは満足していました。
帰宅して2時間が経ち、3時間が経ち…。
時間を追うごとに、腹が熱く、重くなっていきます。
う〜〜〜〜む。
なんでしょう、この焦燥感。
激辛くんが腸まで来たのがよくわかるのです。
それでもわたしは知らないフリを決め込んでいました。
気付かないを装えば、体もそれに反応してくれるかと…
しかし、現実は甘くなく、まさに激辛。
かくして、その日の夜は、
短時間でトイレに駆け込み続けるという、眠れない夜となりました。
♪眠れな〜い夜の〜腹の痛さ〜 忘れかけてた辛さよみがえるぅ〜
くだらない替え歌もまったく笑えません。
マンガ「俺節」的に言えば、
「男の引き際が問われるない!!」「つきゅ〜〜ん」byあーちゃん
てな具合。
トイレでは、3種類の意味で絶叫します。
なにがどう3種類なのかは、あまりに尾籠ですのでここには書けません。
激辛初心者の方、「赤唐辛子系の激辛連食」にはくれぐれもご用心。
2008年07月28日
八熱地獄:弐
ラーメン八熱地獄巡り:其の弐
黒縄地獄! 〜王者の脅威
「井の庄」でかいた汗も乾かぬまま、車は上板橋へ。
初日2軒めにして、いきなり真打ち登場。
激辛ラーメンの代名詞。激辛中毒患者たちを虜にする紅の館。
「蒙古タンメン中本 上板橋本店」
店外の行列を横目に、まずはロイホで打ち合わせ。ドリンクバーのみ。
コーラとシークワーサーを混ぜてみたりする。しばしのクールダウン。
約1時間後。いざ、ゴー・トゥ・ヘル!
店外に13人、店内に7、8人の待ち。
二郎に女性客はほとんどいないが、中本にはかなり女性が並ぶ。
22時すぎだというのに、このバカどもめが!(そこへ並ぶバカ)。

北極ラーメン800円
今さら説明するまでもない、鋭利な大刀、爆裂する溶岩、地獄の業火。
それが北極。辛さの極北。
北極は年に1度くらいしか食べないが、いつも「もうやめだ…」と思う。
激辛のあとに北極というのは無論、初めてであるし、
北極の量は、他のメニューの大盛りである。危うい…。
まだ中本を知らない諸君、よく見ておくれ。
白いモヤシの周囲には、1センチはあろうかというオレンジの層。
これはラー油だ。その下にギッシリと敷き詰められている紅の粒、
これはもちろん粗挽きの唐辛子である。
麺が上の方しか見えていないのは、スープが濁っているからじゃなくて、
唐辛子で隠れているだけ。
その層をレンゲで混ぜ、スープを啜る。
う〜ん……ゴフッ!
一瞬の旨味ののちに、激しい刺激が襲ってきます。
心のどこかで後悔しながら、でもこの破壊的辛さがたまらない。
同行者はもう味見をしようともしません。
(本人が頼んだ半蒙古丼が思ったより辛かったせいもありますが)
ちょうど全体量の1/3ずつ3段階の味わいがあるので、その順に解説します。
初めの1/3は、スタートダッシュ。
その刺激と味に、驚きと拒否反応と喜びと焦りがあって、比較的早く進む。
辛さは常軌を逸しているものの、スープも麺も美味しい。
ただし、麺を勢い良く啜り込むことはできない。即、咽せます。
唐辛子でザラつく麺を、微妙なテクで啜る。
次の1/3は、マイペース。
最もツラく、時間もかかる。唇も口腔内も辛さでシビれまくり、
辛さよりも痛さに目覚めてくる。麺に甘さすら感じるような錯覚を覚える。
息を吸い込むのさえ容易ではなく、深呼吸などしようものならすぐに咽せる。
油脂で閉じ込められた熱がそれに拍車をかける。
序盤に確保しておいたモヤシを口に運びつつ、騙し騙し、食べ進む。
最後の1/3はラストスパート。
徐々に楽になっていく。ゴールが見えたことによる精神的なものか、
ラー油部分がスープと混ざり合って刺々しさが減るのか…いや、
きっと痛覚が麻痺して辛さを感知できなくなっているのでしょう。
味噌の味、塩辛さ、スープのコクなどが前面に現れてくるのである。
「あまりの辛さゆえに、辛味を突き抜けてしまった」のだ。
人はこれを「ホット・ハイ」と呼ぶ。
またある人は「辛さの向こう側」と呼ぶ。
途中、同行者の味噌タンメン(辛くないメニュ−。しかもチーズ入り!)
のスープをチェイサーにする。水を飲むより刺激が少なくていい。
隣の高校生?大学生?の男女の会話。
「え〜、こんなに辛いなら言ってくれればいいのに〜…」
と引きながらも気を遣って笑っている女の子に対し、男は、
「今日は95点」「オレ常連だから玉子サービスしてくれたんだぜ」
「蒙古食えたらあとは一緒。他のも全部食えっから」
「根性で食えよ、サービスしてもらったのにワリいだろ」
「○○先輩は、水入れて辛さを減らすらしいぜ」
…と、若さ爆発だったのだけど、そんな言葉もやがて耳に入らなくなる。
持参したタオルで汗を拭きながらドンブリと格闘。
辛さゆえに食べるスピードが遅くなるのだが、
しかし麺を啜っていない時でも息はあがっているので、軽い酸欠状態に陥る。
箸を持つ手がワナワナと震えていた。
麺を食べ終えてしまった頃、「辛さの向こう側」に行っていたわたしは、
卓上の唐辛子粉をバッバと振りかけた。
井の庄と同じように、辛さの違いを演出できるのではないか。
…調子に乗り過ぎたか?………おおッ!
明らかに辛さの種類が違う!
スープの中にあったのは、どれも「熱を加えた唐辛子」。
しかし唐辛子そのままの辛さは、辛さの種類が違う。
ダイレクトな香ばしさが立って、ふりかけのようにクリスピー!
これはアリですよ。激辛のダブルテイストですよ!

で、汁完。
普通の完食写真と少し違うことに気付かれましたか?
普通はドンブリにビッシリ唐辛子が貼り付いているんです。
わたしは肉やモヤシを使って、刮げ取って喰らいました。
我ながら、マゾとしか言いようがありません。
家に送ってもらう途中、コンビニに寄ります。自分にお疲れ。
買うのはサッポロ黒ラベル。男のビールです。
いわゆるトップオブ激辛ラーメンを食べてしまい、あとは楽になるばかり…
と思ったのはあまりに浅はかな推測でした。
次の日もその次の日も、それを思い知らされるのです。
黒縄地獄! 〜王者の脅威
「井の庄」でかいた汗も乾かぬまま、車は上板橋へ。
初日2軒めにして、いきなり真打ち登場。
激辛ラーメンの代名詞。激辛中毒患者たちを虜にする紅の館。
「蒙古タンメン中本 上板橋本店」
店外の行列を横目に、まずはロイホで打ち合わせ。ドリンクバーのみ。
コーラとシークワーサーを混ぜてみたりする。しばしのクールダウン。
約1時間後。いざ、ゴー・トゥ・ヘル!
店外に13人、店内に7、8人の待ち。
二郎に女性客はほとんどいないが、中本にはかなり女性が並ぶ。
22時すぎだというのに、このバカどもめが!(そこへ並ぶバカ)。

北極ラーメン800円
今さら説明するまでもない、鋭利な大刀、爆裂する溶岩、地獄の業火。
それが北極。辛さの極北。
北極は年に1度くらいしか食べないが、いつも「もうやめだ…」と思う。
激辛のあとに北極というのは無論、初めてであるし、
北極の量は、他のメニューの大盛りである。危うい…。
まだ中本を知らない諸君、よく見ておくれ。
白いモヤシの周囲には、1センチはあろうかというオレンジの層。
これはラー油だ。その下にギッシリと敷き詰められている紅の粒、
これはもちろん粗挽きの唐辛子である。
麺が上の方しか見えていないのは、スープが濁っているからじゃなくて、
唐辛子で隠れているだけ。
その層をレンゲで混ぜ、スープを啜る。
う〜ん……ゴフッ!
一瞬の旨味ののちに、激しい刺激が襲ってきます。
心のどこかで後悔しながら、でもこの破壊的辛さがたまらない。
同行者はもう味見をしようともしません。
(本人が頼んだ半蒙古丼が思ったより辛かったせいもありますが)
ちょうど全体量の1/3ずつ3段階の味わいがあるので、その順に解説します。
初めの1/3は、スタートダッシュ。
その刺激と味に、驚きと拒否反応と喜びと焦りがあって、比較的早く進む。
辛さは常軌を逸しているものの、スープも麺も美味しい。
ただし、麺を勢い良く啜り込むことはできない。即、咽せます。
唐辛子でザラつく麺を、微妙なテクで啜る。
次の1/3は、マイペース。
最もツラく、時間もかかる。唇も口腔内も辛さでシビれまくり、
辛さよりも痛さに目覚めてくる。麺に甘さすら感じるような錯覚を覚える。
息を吸い込むのさえ容易ではなく、深呼吸などしようものならすぐに咽せる。
油脂で閉じ込められた熱がそれに拍車をかける。
序盤に確保しておいたモヤシを口に運びつつ、騙し騙し、食べ進む。
最後の1/3はラストスパート。
徐々に楽になっていく。ゴールが見えたことによる精神的なものか、
ラー油部分がスープと混ざり合って刺々しさが減るのか…いや、
きっと痛覚が麻痺して辛さを感知できなくなっているのでしょう。
味噌の味、塩辛さ、スープのコクなどが前面に現れてくるのである。
「あまりの辛さゆえに、辛味を突き抜けてしまった」のだ。
人はこれを「ホット・ハイ」と呼ぶ。
またある人は「辛さの向こう側」と呼ぶ。
途中、同行者の味噌タンメン(辛くないメニュ−。しかもチーズ入り!)
のスープをチェイサーにする。水を飲むより刺激が少なくていい。
隣の高校生?大学生?の男女の会話。
「え〜、こんなに辛いなら言ってくれればいいのに〜…」
と引きながらも気を遣って笑っている女の子に対し、男は、
「今日は95点」「オレ常連だから玉子サービスしてくれたんだぜ」
「蒙古食えたらあとは一緒。他のも全部食えっから」
「根性で食えよ、サービスしてもらったのにワリいだろ」
「○○先輩は、水入れて辛さを減らすらしいぜ」
…と、若さ爆発だったのだけど、そんな言葉もやがて耳に入らなくなる。
持参したタオルで汗を拭きながらドンブリと格闘。
辛さゆえに食べるスピードが遅くなるのだが、
しかし麺を啜っていない時でも息はあがっているので、軽い酸欠状態に陥る。
箸を持つ手がワナワナと震えていた。
麺を食べ終えてしまった頃、「辛さの向こう側」に行っていたわたしは、
卓上の唐辛子粉をバッバと振りかけた。
井の庄と同じように、辛さの違いを演出できるのではないか。
…調子に乗り過ぎたか?………おおッ!
明らかに辛さの種類が違う!
スープの中にあったのは、どれも「熱を加えた唐辛子」。
しかし唐辛子そのままの辛さは、辛さの種類が違う。
ダイレクトな香ばしさが立って、ふりかけのようにクリスピー!
これはアリですよ。激辛のダブルテイストですよ!

で、汁完。
普通の完食写真と少し違うことに気付かれましたか?
普通はドンブリにビッシリ唐辛子が貼り付いているんです。
わたしは肉やモヤシを使って、刮げ取って喰らいました。
我ながら、マゾとしか言いようがありません。
家に送ってもらう途中、コンビニに寄ります。自分にお疲れ。
買うのはサッポロ黒ラベル。男のビールです。
いわゆるトップオブ激辛ラーメンを食べてしまい、あとは楽になるばかり…
と思ったのはあまりに浅はかな推測でした。
次の日もその次の日も、それを思い知らされるのです。

