2008年07月29日
八熱地獄:陸
ラーメン八熱地獄巡り:其の陸
焦熱地獄! 〜インスパイア系の魔力
「蒙古タンメン中本」の冷やし味噌を手本にしたとされるつけ麺がウリの、
「早稲田つけめん 高木や」
高田馬場店もあるが、こういう時に支店で済ますのはいかん。
「中本」も「ぶちうま」も本店を通して来た。
一駅移動し、早稲田で下車。

看板です。…食べるとこんな顔になるのでしょうか。
ムンクの叫びというより、そのパンチング人形ですね。
いや、タコですね。
メニューを見ると「マイルド」というのがあり、
どうやらこれが初心者用のようである。
だから、普通に基本メニューらしい「辛みそ」をオーダー。
しかし頼んでから壁をよく見ると、
別料金で辛さ増しができるようである。
…むう。まあいいか。
デフォでどれほどなのか、試してみましょう。

辛みそ650円
どうれ。スープそのまま行ってくれようか。
なにしろ、辛さ増しじゃないんだからね。
(歴戦の末、ヘンな自信がついている)
お、なかなかデインジャラスな香りはしている…。

ずずっ。
…あれっ? こ、これ、ほんとに辛いメニュー?
唐辛子系の味はするけど、全然いけるじゃない。
ゴク、ゴク、ゴク…。
おかしいなあ。喉にも響かないぞ。
やっぱり辛さをプラスしないとダメだったかも…。
では、麺をつけて…ずず…ガフッ!!
なんじゃこりゃ! 麺を啜ろうとすると途端にキツい!!
ムフォォッ!
…こ、ここで咽せるわけにもいかん(またか)。
店のオヤジがチラっと見て「はッ、トーシロかい…」なんて笑ってたら…
(そんなことはないでしょうが)咽せられん!
歯応えのしっかりした、ぐりんぐりんと縒れた太麺。
辛味と太麺で啜りにくいので、箸で運び込むようにそっと口内へ。
もぐもぐ…。
うーんしかし、辛さというよりショッパさが先に立って、
口がアスタリスク化。
具はモヤシ。味がしみしみでこれもショッパい味玉が半分。
チャーシューじゃなくて肉なのはいいとしても、メンマもない。
ちょっと寂しいかな〜。
(でも「中本」の冷やし味噌は770円なのに具はもっと少ないか…)
舌も口腔内も唇もほとんど痛くないのに、なぜだろう、
クチビルの周りの皮膚が異様にシビレる!
今までなかった刺激。
これは想像だが、スープの舌触りと、細かいピリピリ具合からして、
唐辛子は細かい粉末状のものを使ってて、
しかも仕上がりに合わせるような形なのでは…?
辛味は熱と合体させないと、浮いてしまうような気がする。
(「中本」で後から唐辛子振って気付いたんですが)
どうもそのヘンの融合が果たされていない感じがある。
敢えてそうしてるのかもしれないですが。
味、もしくは辛さがもっとドカーンと来て欲しいな。
中本の冷やし味噌インスパイアなのだから、
スープ割りなどないでしょう、と勝手に決めつけ、
残りのスープも今や溶鉱炉と化した胃袋へ。

汁完。
啜ると辛く、口の周りだけ痛くなるという
なにやら変わった激辛つけ麺でした。
それはともかく、一番納得いかんかったのは、お冷や。

コレだよ。
グラスこそ、サワーグラスみたいな大きいものなのだけど、
給水機の水の、ヌッルいこと、ヌルいこと!
あれじゃ「お冷や」じゃなくて「おヌル」ですよ〜!
常温を「冷や」って言っていいのは日本酒だけにしてください!
焦熱地獄! 〜インスパイア系の魔力
「蒙古タンメン中本」の冷やし味噌を手本にしたとされるつけ麺がウリの、
「早稲田つけめん 高木や」
高田馬場店もあるが、こういう時に支店で済ますのはいかん。
「中本」も「ぶちうま」も本店を通して来た。
一駅移動し、早稲田で下車。

看板です。…食べるとこんな顔になるのでしょうか。
ムンクの叫びというより、そのパンチング人形ですね。
いや、タコですね。
メニューを見ると「マイルド」というのがあり、
どうやらこれが初心者用のようである。
だから、普通に基本メニューらしい「辛みそ」をオーダー。
しかし頼んでから壁をよく見ると、
別料金で辛さ増しができるようである。
…むう。まあいいか。
デフォでどれほどなのか、試してみましょう。

辛みそ650円
どうれ。スープそのまま行ってくれようか。
なにしろ、辛さ増しじゃないんだからね。
(歴戦の末、ヘンな自信がついている)
お、なかなかデインジャラスな香りはしている…。

ずずっ。
…あれっ? こ、これ、ほんとに辛いメニュー?
唐辛子系の味はするけど、全然いけるじゃない。
ゴク、ゴク、ゴク…。
おかしいなあ。喉にも響かないぞ。
やっぱり辛さをプラスしないとダメだったかも…。
では、麺をつけて…ずず…ガフッ!!
なんじゃこりゃ! 麺を啜ろうとすると途端にキツい!!
ムフォォッ!
…こ、ここで咽せるわけにもいかん(またか)。
店のオヤジがチラっと見て「はッ、トーシロかい…」なんて笑ってたら…
(そんなことはないでしょうが)咽せられん!
歯応えのしっかりした、ぐりんぐりんと縒れた太麺。
辛味と太麺で啜りにくいので、箸で運び込むようにそっと口内へ。
もぐもぐ…。
うーんしかし、辛さというよりショッパさが先に立って、
口がアスタリスク化。
具はモヤシ。味がしみしみでこれもショッパい味玉が半分。
チャーシューじゃなくて肉なのはいいとしても、メンマもない。
ちょっと寂しいかな〜。
(でも「中本」の冷やし味噌は770円なのに具はもっと少ないか…)
舌も口腔内も唇もほとんど痛くないのに、なぜだろう、
クチビルの周りの皮膚が異様にシビレる!
今までなかった刺激。
これは想像だが、スープの舌触りと、細かいピリピリ具合からして、
唐辛子は細かい粉末状のものを使ってて、
しかも仕上がりに合わせるような形なのでは…?
辛味は熱と合体させないと、浮いてしまうような気がする。
(「中本」で後から唐辛子振って気付いたんですが)
どうもそのヘンの融合が果たされていない感じがある。
敢えてそうしてるのかもしれないですが。
味、もしくは辛さがもっとドカーンと来て欲しいな。
中本の冷やし味噌インスパイアなのだから、
スープ割りなどないでしょう、と勝手に決めつけ、
残りのスープも今や溶鉱炉と化した胃袋へ。

汁完。
啜ると辛く、口の周りだけ痛くなるという
なにやら変わった激辛つけ麺でした。
それはともかく、一番納得いかんかったのは、お冷や。

コレだよ。
グラスこそ、サワーグラスみたいな大きいものなのだけど、
給水機の水の、ヌッルいこと、ヌルいこと!
あれじゃ「お冷や」じゃなくて「おヌル」ですよ〜!
常温を「冷や」って言っていいのは日本酒だけにしてください!
2008年07月29日
八熱地獄:伍
ラーメン八熱地獄巡り:其の伍
大叫喚地獄! 〜カレーの戦慄
その店は、ラーメンフリークよりもむしろ、
ホットマニアにとっての城。
辛さの殿堂。刺激の聖域。激辛キングダム。激辛中毒患者の駆け込み寺である。
5杯めにしてようやくカレーのお出ましだ。
ある意味、今回が最も高いハードルだと思っている。
店に向かう道、緊張で武者震いしていた。
女性にはわからない表現で申し訳ないが、下半身が
「ジェットコースターに乗る前の状態」だ。
わたしは「買って来たエロ本をすぐに見ないでもったいつける中学生」
のように、より近い千石駅ではなく、JR巣鴨駅から歩いて向かった。
この緊張を少しでも持続して味わいたい。
なんでも近道、早道の行動派ってのは、情緒がなくていけません。
やがて見えてくる立て看板。
「大沢食堂」
黄色いドアを押すと、ウルトラセブンの電子音で出迎えられる。
酒盛りをする人たちや1人黙々と食べる客で、半分くらいの入り。
カウンターにいる客の隙間に入ろうかと思ったが、
優しい店員さんが、「お待ちくださいね〜」とテーブルを片付けてくれた。
入口から一番近い角のテーブル席。よしっ。ここが今回のリングですね。
グラスを運んで来たお兄さんに、意を決してオーダーする。
「カレーラーメンの…………極辛を」
ピクッ。お兄さんの表情が変わった。
「…かなり辛いですが、初めてですか?」
顔がシリアスである。リアルである。本気と書いてマジである。
「ギャグだったらやめてくださいよ…」そう書いてある。
「大辛までは食べたことあるんですが…」と言ってみる。
(ほんとは中辛までなのだが、止められてはかなわないので嘘をつく)
「だいぶ、違いますよ」
「大辛よりも、ですか?」
「はい」即答。
そ、そうですか…………でも「大丈夫です!」
そしてわたしは、水をチビチビしつつ、悪魔降臨を待ちます。

カレーラーメン極辛 850円
見た目は相変わらずさりげない。ラーメンにカレーをかけただけ。
「オラオラ〜、死ぬほど辛いんやでえ〜」っていう威しがない。
でもカレーの色が静かに不気味です。
「カレーの匂いなんだけど、カレーの匂いじゃない」し。
ふわっと漂うその香りから、容易に想像がつくポテンシャル。
深呼吸して(C)満里奈)から、意を決して、
ずずっ。ずずー。
ドーン! 舌から脳へ届くのが早い。
たった2口で、もう発汗していた。
…これは辛い。辛いなんて言葉では甘過ぎるほど辛い。
これまでとは、辛さの“厚み”が違うのだ。
唐辛子メインの直線的な辛さではなく、
辛味、甘味、塩味、そして苦味さえ伴って、
触れる肌すべてに波状攻撃を仕掛けてくる。
辛さを感じ取る部位すべてに爆撃をしまくる。
きたわ……わたしは箸を握り直した。
しかしその味たるや、上にかけられたルゥが醤油スープと混ざり合って、
かなりウマい!
大丈夫、これならいけるぞ。そう思った。
調子に乗って、カレーだけをすくって口に運ぶ。ウマい。
とろけて小さくなった野菜に、ほろほろの角切り肉。
中細麺はミチっとして、咀嚼するとどこかご飯的。
口の中はすでに火砕流が渦巻いていたが、これは美味しい。
時々来る寒気をも楽しみながら、わたしは麺を啜り続けた…。
…あれっ、おかしいな?
さっきみたいに啜れないよ……なんでだろう、おっかしいな…。
そうかッ、辛過ぎるからだね…!
ふと気付くと、もう当初の余裕は消え失せていた。
唇といわず舌といわず、口中の神経がビローンと剥き出しになった感覚。
麺を啜ると、ドライヤーの熱風を直で口に当ててるかのように激アツ。
麺を咀嚼すれば、
「熱い湯に我慢して浸かっているとき、お湯を揺らされる」ように痛い。
首筋を、顳かみを、背中を汗が流れ落ちてゆく。
鼻水も出て来た。ちーん。
あ、あれ、なんだろう。汗に混じって……涙……が…。
悲しくも嬉しくもないのに、涙がほろり。
刺激ですか? それともこれが世に聞く「辛さ涙」ですか?
常軌を逸する激辛であり、かなりスパイシーであり、どうしても咽せる。
しかし食べている最中に咽せると大変なことになる。
ずずーっ…ガホッ……うっ!!
気管に入った! うう…咳き込みたい。激しく咳き込みたい。
ダメだ、極辛に挑んだ男として、それは恥だ!
思わず水をゴクゴク飲んで天を見上げ、目を瞑って耐えた。
ふー、ふー、ふー。
クール(じゃないけど)ダウン。
大沢食堂がこれまでの店と違うのは、恐ろしく辛いカレーが、
時間とともに醤油スープに馴染んでいくことである。
薄まっていくように思われるかもしれないが、そうではない。
むしろ、逃げ場がなくなっていく。
つまり「食べ終わるまで辛くなり続ける」のだ。
もちろん、体感的にも辛さが積み上げられていくので、
ダブルで辛さが増す。
最後はスパイスの粉感がしっかりわかるほど濃厚なペーストに。
完食まであと少しというところで、ようやくに旨辛分離が始まったが、
まだまだ辛さは増していく。
身の危険を感じた体内では、アドレナリン出っ放し。
まさにアドレナリンの特性「闘争か逃走か」の狭間で揺れ動く。
ギリギリのところで闘争するわたし。

そして汁完。
よく見てください。掻き取った跡があるでしょ?
アドレナリン効用のひとつに、痛覚の麻痺が上げられる。
きっとそこまで行っていたのに違いありません。
汗まみれでドンブリを置くと、目の前には大きなモノクロの写真パネル。
諸手を上げてトロフィーを捧げ持つ、キックボクサー時代の店主。
水を1杯注いで飲んで、会計。さきほどのお兄さんもニッコリ。
マジ、キック強かったっス、押忍。
帰り道、唇がビローンと腫れ上がったかのような感覚。
きんどーちゃんみたいになってるような気がする。
すれ違う人すべてが、それを見て笑っているように思える。
見ないで! ああ、見ないで!!
自意識過剰な男は、ひとり駅への道を早足で急ぐのだった。
…しかし、こと「激辛カレー」というジャンルにおいては、
この「大沢食堂」も下位に甘んじるという。
これを凌駕するものというのは、おそらく味とか健康とかを度外視した
危険物セーフティーレベル4だと思いますので、
わたしは一生知らないままでいたいと思います。
大叫喚地獄! 〜カレーの戦慄
その店は、ラーメンフリークよりもむしろ、
ホットマニアにとっての城。
辛さの殿堂。刺激の聖域。激辛キングダム。激辛中毒患者の駆け込み寺である。
5杯めにしてようやくカレーのお出ましだ。
ある意味、今回が最も高いハードルだと思っている。
店に向かう道、緊張で武者震いしていた。
女性にはわからない表現で申し訳ないが、下半身が
「ジェットコースターに乗る前の状態」だ。
わたしは「買って来たエロ本をすぐに見ないでもったいつける中学生」
のように、より近い千石駅ではなく、JR巣鴨駅から歩いて向かった。
この緊張を少しでも持続して味わいたい。
なんでも近道、早道の行動派ってのは、情緒がなくていけません。
やがて見えてくる立て看板。
「大沢食堂」
黄色いドアを押すと、ウルトラセブンの電子音で出迎えられる。
酒盛りをする人たちや1人黙々と食べる客で、半分くらいの入り。
カウンターにいる客の隙間に入ろうかと思ったが、
優しい店員さんが、「お待ちくださいね〜」とテーブルを片付けてくれた。
入口から一番近い角のテーブル席。よしっ。ここが今回のリングですね。
グラスを運んで来たお兄さんに、意を決してオーダーする。
「カレーラーメンの…………極辛を」
ピクッ。お兄さんの表情が変わった。
「…かなり辛いですが、初めてですか?」
顔がシリアスである。リアルである。本気と書いてマジである。
「ギャグだったらやめてくださいよ…」そう書いてある。
「大辛までは食べたことあるんですが…」と言ってみる。
(ほんとは中辛までなのだが、止められてはかなわないので嘘をつく)
「だいぶ、違いますよ」
「大辛よりも、ですか?」
「はい」即答。
そ、そうですか…………でも「大丈夫です!」
そしてわたしは、水をチビチビしつつ、悪魔降臨を待ちます。

カレーラーメン極辛 850円
見た目は相変わらずさりげない。ラーメンにカレーをかけただけ。
「オラオラ〜、死ぬほど辛いんやでえ〜」っていう威しがない。
でもカレーの色が静かに不気味です。
「カレーの匂いなんだけど、カレーの匂いじゃない」し。
ふわっと漂うその香りから、容易に想像がつくポテンシャル。
深呼吸して(C)満里奈)から、意を決して、
ずずっ。ずずー。
ドーン! 舌から脳へ届くのが早い。
たった2口で、もう発汗していた。
…これは辛い。辛いなんて言葉では甘過ぎるほど辛い。
これまでとは、辛さの“厚み”が違うのだ。
唐辛子メインの直線的な辛さではなく、
辛味、甘味、塩味、そして苦味さえ伴って、
触れる肌すべてに波状攻撃を仕掛けてくる。
辛さを感じ取る部位すべてに爆撃をしまくる。
きたわ……わたしは箸を握り直した。
しかしその味たるや、上にかけられたルゥが醤油スープと混ざり合って、
かなりウマい!
大丈夫、これならいけるぞ。そう思った。
調子に乗って、カレーだけをすくって口に運ぶ。ウマい。
とろけて小さくなった野菜に、ほろほろの角切り肉。
中細麺はミチっとして、咀嚼するとどこかご飯的。
口の中はすでに火砕流が渦巻いていたが、これは美味しい。
時々来る寒気をも楽しみながら、わたしは麺を啜り続けた…。
…あれっ、おかしいな?
さっきみたいに啜れないよ……なんでだろう、おっかしいな…。
そうかッ、辛過ぎるからだね…!
ふと気付くと、もう当初の余裕は消え失せていた。
唇といわず舌といわず、口中の神経がビローンと剥き出しになった感覚。
麺を啜ると、ドライヤーの熱風を直で口に当ててるかのように激アツ。
麺を咀嚼すれば、
「熱い湯に我慢して浸かっているとき、お湯を揺らされる」ように痛い。
首筋を、顳かみを、背中を汗が流れ落ちてゆく。
鼻水も出て来た。ちーん。
あ、あれ、なんだろう。汗に混じって……涙……が…。
悲しくも嬉しくもないのに、涙がほろり。
刺激ですか? それともこれが世に聞く「辛さ涙」ですか?
常軌を逸する激辛であり、かなりスパイシーであり、どうしても咽せる。
しかし食べている最中に咽せると大変なことになる。
ずずーっ…ガホッ……うっ!!
気管に入った! うう…咳き込みたい。激しく咳き込みたい。
ダメだ、極辛に挑んだ男として、それは恥だ!
思わず水をゴクゴク飲んで天を見上げ、目を瞑って耐えた。
ふー、ふー、ふー。
クール(じゃないけど)ダウン。
大沢食堂がこれまでの店と違うのは、恐ろしく辛いカレーが、
時間とともに醤油スープに馴染んでいくことである。
薄まっていくように思われるかもしれないが、そうではない。
むしろ、逃げ場がなくなっていく。
つまり「食べ終わるまで辛くなり続ける」のだ。
もちろん、体感的にも辛さが積み上げられていくので、
ダブルで辛さが増す。
最後はスパイスの粉感がしっかりわかるほど濃厚なペーストに。
完食まであと少しというところで、ようやくに旨辛分離が始まったが、
まだまだ辛さは増していく。
身の危険を感じた体内では、アドレナリン出っ放し。
まさにアドレナリンの特性「闘争か逃走か」の狭間で揺れ動く。
ギリギリのところで闘争するわたし。

そして汁完。
よく見てください。掻き取った跡があるでしょ?
アドレナリン効用のひとつに、痛覚の麻痺が上げられる。
きっとそこまで行っていたのに違いありません。
汗まみれでドンブリを置くと、目の前には大きなモノクロの写真パネル。
諸手を上げてトロフィーを捧げ持つ、キックボクサー時代の店主。
水を1杯注いで飲んで、会計。さきほどのお兄さんもニッコリ。
マジ、キック強かったっス、押忍。
帰り道、唇がビローンと腫れ上がったかのような感覚。
きんどーちゃんみたいになってるような気がする。
すれ違う人すべてが、それを見て笑っているように思える。
見ないで! ああ、見ないで!!
自意識過剰な男は、ひとり駅への道を早足で急ぐのだった。
…しかし、こと「激辛カレー」というジャンルにおいては、
この「大沢食堂」も下位に甘んじるという。
これを凌駕するものというのは、おそらく味とか健康とかを度外視した
危険物セーフティーレベル4だと思いますので、
わたしは一生知らないままでいたいと思います。
2008年07月29日
八熱地獄:肆
ラーメン八熱地獄巡り:其の肆
叫喚地獄! 〜青唐辛子の恐怖
「支那そば屋 こうや」
ここは(夜は)ラーメン屋というより中華料理で飲むお店。
友達、仲間、恋人たち…。店内に響く、わあっ、としたざわめき。
店員も多く,厨房・フロアあわせて10人ほどもいる。
老舗だが、火事で一旦休業していた。復活してからは、お初。
わたしがまだ食べたことのない激辛メニュー…それが、
極辣麺(カライカライそば)。なんつー名前だ。
青島ビールと一緒にオーダーすると、「凄く辛いですよ」と
店員のおじさんが心配そう。
「ハイ、大丈夫だと思います」と嘘をつく。食ってみなきゃわからねえ。
ビールを飲んで待つ。
お通しに、肉団子入りのスープが出て来たが、これもピリ辛。
辛いのが苦手な人は、これですらダメでしょう。
でもね、このあと出てくる極辣麺の比ではなかった…。

極辣麺(カライカライそば1100円)
具がたっぷりでいいね〜。トマトとセロリ、そしてこの店の雰囲気、
わたしは1人、「白龍」のトマト湯麺を思い出す。
決して油断するわたしではないが、そんなところに隙があったのかもしれない。
スープを啜る。1口、2口……5口、6口。
…「ぶちうま」の辛さ麻痺が残ってるのかな?
全然余裕。
半濁の塩スープ、具もた〜くさん入ってて、ラーメンというより中華の麺料理ですね。
ラーメンと同じ視点ではダメです。
この麺がコシがないとか言うヤツあ、バカだね!(武内名人、憑衣)
ちなみに〈入っていた具材〉
エビ、イカ、ホタテ貝柱、豚肉、トマト、レタス、セロリ、キュウリ、
パクチー、インゲン、ピーマン、赤ピーマン、長葱、キクラゲ
ただ量が多いからな〜。
麺はしっかり170グラム、スープもなみなみと入っている。
辛さよりもそっちが心配だよ。…と、食べ始めて5分ほど経過した頃…
…あれっ??
おかしい。暑いんだよ。なんか、暑いんだよ。
口の中もなんだか異変が起きているんだよ…。
直接舌を刺激しないけれど、舌を通り越し、肌に染み込むような辛さ。
ビリビリではなく、いわばヒリヒリ系。序盤は熱さに隠れていただけ。
忍びの者どもは我が屋敷に入り込んでいたのだ!
中盤に差し掛かると、ぐんぐん来る。発汗も尋常ではない。
気付いたときにはもう遅い。針が舌に突き刺さるようにキリキリする。
その突き刺さる針が、食べるにつれ、どんどん太くなっていくようだ。
ジョジョ的に言うと、
「舌に張り付いたイエローテンパランスを、アイスで冷やした感じ」
だッ!
お、またエビだ〜。お、長葱をぶつ切りに入れるなんてオツですな〜。
あら、セロリの葉かと思ったら、パクチーも入ってるのか?
…なんて意識を飛ばそうとも、背筋を凍らせんばかりの辛さは容赦しない。
ヒッヒッフー。気付けばそんな呼吸法に。
1杯のラーメンを食うにしては、えらい時間食っている。
麺もさすがにヘロヘロになり、それを確認して、啜り込む。
大方の人はここらで残してしまうでしょう。
それでも食べ続けると、やがて恒例の旨辛分離が始まった。
スープを一口、グっと飲み干すと、口中に惨劇をもたらしたあと、
喉から甘やかな香りが口に届く。
この甘味、豚骨のものでしょうね。とても美味しい後味です。
ああ、これを知らずして、極辣麺の真価は語れない。
ひょっとしたら、この味わいを感じ取ってもらうための、
この量なのではなかろうか?(たぶん違うけど)
かなり苦しい。「ぶちうま」で「しめごはん」なんかするんじゃなかった。
ほとんど具とスープだけになっているものの、まだ底は見えてこない。
すでにTシャツの下では、ベルトもチャックも全開である。
ウプ…腹のリミットも迫っていた。
ええい、こうなったら! ラ部秘奥義・荒波!!
腹筋を波打たせて胃をコントロールするのだ。
ガフッ…ゴブッ……立て続けにゲップが出て(失礼)、
腹にスペースができるのだ(なにやってるんでしょうね)。
当初、揚げ葱のようなものが浮いており、それは食べ進むに従って
あちこちからプカプカ現れたのだが、よく見るとそれは揚げ葱ではなかった。
揚げた(煮た?)青唐辛子だったのだ!!

ご存知のように、唐辛子は、刻んだり火を通すことでより辛さが増す。
ええい、毒を喰らわば…(失礼)と、種ごと臼歯でジャリジャリすり潰し、
より辛さを増強させる。なんてマゾヒスティック。

なんと30分以上かかって、汁完。
会計のとき、さきほどオーダーを取りに来たオジさんが、
「辛いの、強いんですね」
と言ってくれたので、
「いえいえ、頑張りました」
と答えると、オジさんはニッコリ笑ってくれました。
腹の皮がピーンと張って、はち切れんばかり。
このまま電車に乗れないなあ。人に押されたら口からビームが出そうだ。
といって、タクシーで体を折り曲げることもできそうにない。
腹ごなしも兼ねて、行けるとこまで歩くことにした。
新宿通りを南へ。迎賓館の脇を。そのまま外苑東通りへ行こうか。
すぐに人影は消え、車のライトと街路樹のユリノキだけが揺れる。
腹は重いが夜風が気持ちいい。
「ああ…まだ辛い…そして苦ひい…」
わたしは奇妙な恍惚感に包まれていた。
叫喚地獄! 〜青唐辛子の恐怖
「支那そば屋 こうや」
ここは(夜は)ラーメン屋というより中華料理で飲むお店。
友達、仲間、恋人たち…。店内に響く、わあっ、としたざわめき。
店員も多く,厨房・フロアあわせて10人ほどもいる。
老舗だが、火事で一旦休業していた。復活してからは、お初。
わたしがまだ食べたことのない激辛メニュー…それが、
極辣麺(カライカライそば)。なんつー名前だ。
青島ビールと一緒にオーダーすると、「凄く辛いですよ」と
店員のおじさんが心配そう。
「ハイ、大丈夫だと思います」と嘘をつく。食ってみなきゃわからねえ。
ビールを飲んで待つ。
お通しに、肉団子入りのスープが出て来たが、これもピリ辛。
辛いのが苦手な人は、これですらダメでしょう。
でもね、このあと出てくる極辣麺の比ではなかった…。

極辣麺(カライカライそば1100円)
具がたっぷりでいいね〜。トマトとセロリ、そしてこの店の雰囲気、
わたしは1人、「白龍」のトマト湯麺を思い出す。
決して油断するわたしではないが、そんなところに隙があったのかもしれない。
スープを啜る。1口、2口……5口、6口。
…「ぶちうま」の辛さ麻痺が残ってるのかな?
全然余裕。
半濁の塩スープ、具もた〜くさん入ってて、ラーメンというより中華の麺料理ですね。
ラーメンと同じ視点ではダメです。
この麺がコシがないとか言うヤツあ、バカだね!(武内名人、憑衣)
ちなみに〈入っていた具材〉
エビ、イカ、ホタテ貝柱、豚肉、トマト、レタス、セロリ、キュウリ、
パクチー、インゲン、ピーマン、赤ピーマン、長葱、キクラゲ
ただ量が多いからな〜。
麺はしっかり170グラム、スープもなみなみと入っている。
辛さよりもそっちが心配だよ。…と、食べ始めて5分ほど経過した頃…
…あれっ??
おかしい。暑いんだよ。なんか、暑いんだよ。
口の中もなんだか異変が起きているんだよ…。
直接舌を刺激しないけれど、舌を通り越し、肌に染み込むような辛さ。
ビリビリではなく、いわばヒリヒリ系。序盤は熱さに隠れていただけ。
忍びの者どもは我が屋敷に入り込んでいたのだ!
中盤に差し掛かると、ぐんぐん来る。発汗も尋常ではない。
気付いたときにはもう遅い。針が舌に突き刺さるようにキリキリする。
その突き刺さる針が、食べるにつれ、どんどん太くなっていくようだ。
ジョジョ的に言うと、
「舌に張り付いたイエローテンパランスを、アイスで冷やした感じ」
だッ!
お、またエビだ〜。お、長葱をぶつ切りに入れるなんてオツですな〜。
あら、セロリの葉かと思ったら、パクチーも入ってるのか?
…なんて意識を飛ばそうとも、背筋を凍らせんばかりの辛さは容赦しない。
ヒッヒッフー。気付けばそんな呼吸法に。
1杯のラーメンを食うにしては、えらい時間食っている。
麺もさすがにヘロヘロになり、それを確認して、啜り込む。
大方の人はここらで残してしまうでしょう。
それでも食べ続けると、やがて恒例の旨辛分離が始まった。
スープを一口、グっと飲み干すと、口中に惨劇をもたらしたあと、
喉から甘やかな香りが口に届く。
この甘味、豚骨のものでしょうね。とても美味しい後味です。
ああ、これを知らずして、極辣麺の真価は語れない。
ひょっとしたら、この味わいを感じ取ってもらうための、
この量なのではなかろうか?(たぶん違うけど)
かなり苦しい。「ぶちうま」で「しめごはん」なんかするんじゃなかった。
ほとんど具とスープだけになっているものの、まだ底は見えてこない。
すでにTシャツの下では、ベルトもチャックも全開である。
ウプ…腹のリミットも迫っていた。
ええい、こうなったら! ラ部秘奥義・荒波!!
腹筋を波打たせて胃をコントロールするのだ。
ガフッ…ゴブッ……立て続けにゲップが出て(失礼)、
腹にスペースができるのだ(なにやってるんでしょうね)。
当初、揚げ葱のようなものが浮いており、それは食べ進むに従って
あちこちからプカプカ現れたのだが、よく見るとそれは揚げ葱ではなかった。
揚げた(煮た?)青唐辛子だったのだ!!

ご存知のように、唐辛子は、刻んだり火を通すことでより辛さが増す。
ええい、毒を喰らわば…(失礼)と、種ごと臼歯でジャリジャリすり潰し、
より辛さを増強させる。なんてマゾヒスティック。

なんと30分以上かかって、汁完。
会計のとき、さきほどオーダーを取りに来たオジさんが、
「辛いの、強いんですね」
と言ってくれたので、
「いえいえ、頑張りました」
と答えると、オジさんはニッコリ笑ってくれました。
腹の皮がピーンと張って、はち切れんばかり。
このまま電車に乗れないなあ。人に押されたら口からビームが出そうだ。
といって、タクシーで体を折り曲げることもできそうにない。
腹ごなしも兼ねて、行けるとこまで歩くことにした。
新宿通りを南へ。迎賓館の脇を。そのまま外苑東通りへ行こうか。
すぐに人影は消え、車のライトと街路樹のユリノキだけが揺れる。
腹は重いが夜風が気持ちいい。
「ああ…まだ辛い…そして苦ひい…」
わたしは奇妙な恍惚感に包まれていた。

