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青木 健
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青木 健(あおき けん)イラストレーター。 日本初のラーメン専門誌「月刊とらさん」にて漫画を連載中! ラーメンは数ではなく愛がモットー(1週間で29杯が最高)。 ラーメンをテーマにしたTシャツ屋さん【ラ部】を運営中!
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2008年04月30日

飽きるということ。

部屋がカオスの様相を呈してくると、なぜか「アキラ」が読みたくなります。
そんなことはさておき。

前エントリーで「龍虎鳳」について書きましたが、満足したとはいえ、
そこまでの贅沢は年に数回でいいかな、とも思います。
そういうものも、ぬるま湯や逆境と同じように、慣れるものですからね。

星のある店に行き、3つある店に行き、常連になり、世界の店を巡り、
最終的には「冬山に登って、餌がなく山芋ばかり食べている猪を撃ち、
腹を裂いて腸を取り出し、その山芋の腸詰めを炙って、山葵醤油で食う

…までいかないと収まらなくなる。猟師免許からかよ。

そう、慣れる。

反面、最近の若い人は、かなりハッキリと物欲が消えてるらしいですね。
お酒も少し前に比べて、極端に飲まなくなっているそうですし。
それは要するに「物」と「欲」をはき違えているのだと思います。
子供の頃にちゃんと飢えさせないから、欲が消失するんですよ。
物には慣れる。欲は満たされない限り慣れない。
「引きこもり」や「ニート」は「平和な時代の親心」の皮肉な代償だ。
サンボマスターもそこに気付いていて「欲望ロック」を書いたのではないか。
「一寸先の闇を 実感する痛みを すべて飲み込んで 欲望に変えるんだぜ」
今だからこそ出てくる、いい歌詞です。

内田百けんセンセイは美味しいお酒を持ってゆくと怒ったといいます。
「こんな美味い酒を飲んでしまったら、今までの酒がマズくなるじゃないか!」
その気持ち、わかるなあ。「飲みたいから飲まない」んですよね。
わたしのような俗物はそこまでストイックにはなれませんけど。

それでもわたしは「ラーメンを食うこと」に慣れたくない。
ある意味「ラーメンを食うこと」よりも「ラーメンを食いたいこと」を
優先したい。大事にしたいわけです。わかります?
小さな小さなハレの料理でありたいのです。

脳科学者・茂木健一郎さんによればそもそも人間は誰もが
「ネオフィリア:neophilia=新奇愛好者」であると。
自身の内面を拡げられない・他者への依存が大きい人ほど、
その傾向が顕著なんだとか。
自分の見方を変えることなく、相手にのみ変化と意外性を求め、
すぐに飽きてしまい、新しい方へ、刺激の強い方へと流れる。

自分で握った塩むすびと、豆腐ほうれん草の味噌汁の朝食を食べながら
「これにすら慣れたくないな…」そんな風に思うのでした。

それは「疑っているからこそ、信じるという行為がある」のと同じで、
「飽きる自分を発見していればこそ、飽きたくないと願う」ということに
他ならない。

そういう意味でわたしは、付き合う女の人のことも決して飽きたりしない。
…飽きられるけど。

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