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青木 健
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青木 健(あおき けん)イラストレーター。 日本初のラーメン専門誌「月刊とらさん」にて漫画を連載中! ラーメンは数ではなく愛がモットー(1週間で29杯が最高)。 ラーメンをテーマにしたTシャツ屋さん【ラ部】を運営中!
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2008年07月29日

八熱地獄:肆

ラーメン八熱地獄巡り:其の肆
叫喚地獄! 〜青唐辛子の恐怖



「支那そば屋 こうや」

ここは(夜は)ラーメン屋というより中華料理で飲むお店。
友達、仲間、恋人たち…。店内に響く、わあっ、としたざわめき。
店員も多く,厨房・フロアあわせて10人ほどもいる。

老舗だが、火事で一旦休業していた。復活してからは、お初。
わたしがまだ食べたことのない激辛メニュー…それが、
極辣麺(カライカライそば)。なんつー名前だ。

青島ビールと一緒にオーダーすると、「凄く辛いですよ」と
店員のおじさんが心配そう。
「ハイ、大丈夫だと思います」と嘘をつく。食ってみなきゃわからねえ。

ビールを飲んで待つ。
お通しに、肉団子入りのスープが出て来たが、これもピリ辛。
辛いのが苦手な人は、これですらダメでしょう。
でもね、このあと出てくる極辣麺の比ではなかった…。



極辣麺(カライカライそば1100円)

具がたっぷりでいいね〜。トマトとセロリ、そしてこの店の雰囲気、
わたしは1人、「白龍」のトマト湯麺を思い出す。
決して油断するわたしではないが、そんなところに隙があったのかもしれない。
スープを啜る。1口、2口……5口、6口。
…「ぶちうま」の辛さ麻痺が残ってるのかな?
全然余裕。

半濁の塩スープ、具もた〜くさん入ってて、ラーメンというより中華の麺料理ですね。
ラーメンと同じ視点ではダメです。
この麺がコシがないとか言うヤツあ、バカだね!(武内名人、憑衣)

ちなみに〈入っていた具材〉
 エビ、イカ、ホタテ貝柱、豚肉、トマト、レタス、セロリ、キュウリ、
 パクチー、インゲン、ピーマン、赤ピーマン、長葱、キクラゲ


ただ量が多いからな〜。
麺はしっかり170グラム、スープもなみなみと入っている。
辛さよりもそっちが心配だよ。…と、食べ始めて5分ほど経過した頃…

…あれっ??
おかしい。暑いんだよ。なんか、暑いんだよ。
口の中もなんだか異変が起きているんだよ…。

直接舌を刺激しないけれど、舌を通り越し、肌に染み込むような辛さ。
ビリビリではなく、いわばヒリヒリ系。序盤は熱さに隠れていただけ。
忍びの者どもは我が屋敷に入り込んでいたのだ!

中盤に差し掛かると、ぐんぐん来る。発汗も尋常ではない。
気付いたときにはもう遅い。針が舌に突き刺さるようにキリキリする。
その突き刺さる針が、食べるにつれ、どんどん太くなっていくようだ。
ジョジョ的に言うと、
「舌に張り付いたイエローテンパランスを、アイスで冷やした感じ」
だッ!

お、またエビだ〜。お、長葱をぶつ切りに入れるなんてオツですな〜。
あら、セロリの葉かと思ったら、パクチーも入ってるのか?
…なんて意識を飛ばそうとも、背筋を凍らせんばかりの辛さは容赦しない。

ヒッヒッフー。気付けばそんな呼吸法に。
1杯のラーメンを食うにしては、えらい時間食っている。
麺もさすがにヘロヘロになり、それを確認して、啜り込む。
大方の人はここらで残してしまうでしょう。

それでも食べ続けると、やがて恒例の旨辛分離が始まった。
スープを一口、グっと飲み干すと、口中に惨劇をもたらしたあと、
喉から甘やかな香りが口に届く。
この甘味、豚骨のものでしょうね。とても美味しい後味です。
ああ、これを知らずして、極辣麺の真価は語れない。
ひょっとしたら、この味わいを感じ取ってもらうための、
この量なのではなかろうか?(たぶん違うけど)

かなり苦しい。「ぶちうま」で「しめごはん」なんかするんじゃなかった。
ほとんど具とスープだけになっているものの、まだ底は見えてこない。
すでにTシャツの下では、ベルトもチャックも全開である。

ウプ…腹のリミットも迫っていた。
ええい、こうなったら! ラ部秘奥義・荒波!!
腹筋を波打たせて胃をコントロールするのだ。
ガフッ…ゴブッ……立て続けにゲップが出て(失礼)、
腹にスペースができるのだ(なにやってるんでしょうね)。


当初、揚げ葱のようなものが浮いており、それは食べ進むに従って
あちこちからプカプカ現れたのだが、よく見るとそれは揚げ葱ではなかった。
揚げた(煮た?)青唐辛子だったのだ!!



ご存知のように、唐辛子は、刻んだり火を通すことでより辛さが増す。
ええい、毒を喰らわば…(失礼)と、種ごと臼歯でジャリジャリすり潰し、
より辛さを増強させる。なんてマゾヒスティック。



なんと30分以上かかって、汁完。

会計のとき、さきほどオーダーを取りに来たオジさんが、

「辛いの、強いんですね」

と言ってくれたので、
「いえいえ、頑張りました」
と答えると、オジさんはニッコリ笑ってくれました。

腹の皮がピーンと張って、はち切れんばかり。
このまま電車に乗れないなあ。人に押されたら口からビームが出そうだ。
といって、タクシーで体を折り曲げることもできそうにない。

腹ごなしも兼ねて、行けるとこまで歩くことにした。
新宿通りを南へ。迎賓館の脇を。そのまま外苑東通りへ行こうか。
すぐに人影は消え、車のライトと街路樹のユリノキだけが揺れる。
腹は重いが夜風が気持ちいい。
「ああ…まだ辛い…そして苦ひい…」
わたしは奇妙な恍惚感に包まれていた。

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この記事へのコメント
こりゃ凄そ〜ぅ、、、読んでるだけで、オイラも汗が出てくるわっ。。。
ちなみに、ぶちうまでは、1辛でちょうどいい。そしてこちらのkライカライは
見た目は赤くない感じだけど、
青唐辛子の、想像を遥かに上回る辛さに、
オイラだったら、1R15秒でノックダウンだろな。。。

このあとの、お腹の状態、、、お察し申し上げます。。。WW
Posted by 波乗りジョニー at 2008年07月29日 11:21
●波乗りジョニーさん
そうなんです。見た目は夏野菜たっぷりで涼しげなのに、
こりゃ卑怯ですよ!
人によっては、蒙古タンメンより苦手かもしれないですね。
青唐辛子をナメてました…。

新宿まで歩いたら、なんとか落ち着いて…でもさすがに
お腹いっぱいで、ビールしか飲めませんでした(飲んでんのかい!)

ちなみに、青唐辛子は割とお腹には優しかったみたいです。
でも、ぶちうまがっっ…
Posted by 青木 健 at 2008年07月29日 12:04