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青木 健
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青木 健(あおき けん)イラストレーター他。 ラーメンのフリーペーパー「ラーメンバンク」にて漫画を連載中! ラーメンは数ではなく愛がモットー(1週間で29杯が最高)。 ラーメンをテーマにしたTシャツ屋さん【ラ部】を運営中!
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2008年10月09日

時をかける症状

9月某日、学生時代の憧れの先輩と、20年ぶりのデートに。


当時、箸か鉛筆か筆しか持たない浪人生活から解放されたわたしには、
年齢としてはひとつしか違わない3年生の先輩が、やたら都会的で、
洗練された大人の女性に見えました。
今思えば20歳の小娘ですけども、「女性性」は年齢に関係ないですからね。

多少は恋に恋してもいましたが、その分、純粋でもあった。
先輩が卒業するとき、色紙に「10年後に不倫しましょう」と書いたものです。

実際、先輩は卒業した数年後に結婚してしまうのだけど、
不倫どころか一目たりとも会うことなく15年以上が過ぎ去った。

今から2年ほど前に先輩に再会したとき、自分が変化するのがわかりました。
わたしはすっかり「先輩のことが大大大好きな後輩」であり、
「19歳の自分」に戻っていたのだ。あれから倍も生きたオッサンなのに。

今回会った時も、やっぱり自分は19歳に戻っていた。
先輩は少しも変わらずに綺麗で、明るくて、スラっとして、無邪気で、
そしてボディランゲージが人の3倍激しかった。

銀座で映画を観た。ずっと前から2人分の前売りを買ってある。
このヘンまでも19歳な感じだ。なんて初々しいオレ。

初めは別の街で観る予定だったが、先輩のお子さんのお母さん仲間が
他の映画をその街に観に行くということで、急遽場所を変更。
そんな展開、気分的には十分、不倫です。


さて、甘いものを食べながらお茶して、映画館へ。
すでに前売りチケットを引き換えていたのだけど、
先輩は、チケット引き換えの長い行列を見て、

「ええっ?! こんなに人気なの? これからそんな映画が観られるの!?」

…先輩は男を喜ばす天才なのであった。


「20世紀少年」鑑賞。
原作のあれだけの量を三部作映画に切り分けるだけあって、
やはり駆け足感が否めないが、あの徹底した完コピぶりに拍手を惜しまない。
原作を知らない先輩も、途中で話についていけたし面白かったと
言っていたので、それだけで満足。
そう。映画作品としての善し悪しなんて、どうでも良いんだ。
先輩が喜ぶかどうか、それがすべてだ。

映画館を出て、

「これから美味しいラーメン、食べに連れて行ってくれるんでしょ?」

…先輩は男心をくすぐる天才なのであった。


その言葉には、つまり優しさが詰まりまくっているわけで、
つくづく旦那さんは幸せだなあと思うわたし。

先輩はあんまり濃度のあるスープは苦手だそうだ。

ここはやっぱり「多賀野」にお連れしましょうか。
それとも「CIQUE」を紹介しましょうか。はたまた……

しかし先輩も人の妻。子の親。ご長男に9時に帰ると約束してきたという。
じゃあ…銀座からも近いところで…あまり濃くなくて…
そのままお酒も飲めて……………あったぞ!

「麺・酒処 ぶらり」だ。
濃い鶏白湯と、濃くないとりそばがあったはず。
未訪だし、わたしも行きたい。

ぶらり、到着。
貸切状態で、ビールで乾杯。
料理はスタンダードを少しアレンジしたようなもので、どれも美味しい。
店内には80年代の洋楽がかかりまくり、なんだかもう当時の部室さながら。


鶏白湯ら〜めん750円


鶏そば650円

「ショウガがかなり効いてるのね」
「わたしはこっちの方がいいんだけど、そっちの方が美味しいね」

…先輩、なかなか鋭いですね。
そんな先輩がラーメン店の話を振ってき(てくれ)たではないか。

「むかし成増に住んでてね、近くに美味しいラーメン屋さんがあって、
 よく行ってたんだけど…」
「えっ、『道頓堀』ですか!?」
「そう〜。知ってる? 有名なの?」

なんだ先輩、わかってるじゃないですか。
やっぱり知識や経験などよりも、ものを言うのはセンスの高さです。


日暮里駅、先輩は舎人ライナーの入口を見て、
「まだ乗ってないのよね…」と呟いた。
なんでも、新しい路線ができると必ず乗車しているのだという。
美しい先輩の、意外にタモさんな一面。


僕はまだ、先輩のことをなにも知らない。
さすが、わたしが好きになった人である。

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この記事へのコメント
読んでたら、オイラまでドキドキしてきちゃった^^
Posted by 波乗りジョニー at 2008年10月10日 11:39
○波乗りジョニーさん
映画を観てラーメン食べただけですけど、
なんにしても肝心なのはその相手だってわかりました。
オッサンもたまにはドキドキしていいですよね(^-^;
Posted by 青木 健 at 2008年10月10日 15:22
ひゃー
絵も描けて、文も書ける、時も翔ける
私も先輩に逢いたい。
あっ!
私が好きになった、私の先輩にですよ。
Posted by ルース at 2008年10月10日 19:39
○ルースさん
「先輩」っていいですよね〜。
いくら頑張っても届かない感じが…。
あ、ルースさんの場合は結ばれたりしたのかな?(^-^;

好きになった人には、またどこかで会いたい人と、
もう絶対会いたくない人がいますね…
Posted by 青木 健 at 2008年10月11日 02:32