2008年01月06日
再開発後の再開
昨日、東池袋大勝軒が場所を移し、めでたく再開しました。

わたしは閉店の時は行けませんでしたが、そんなに惜しくはなかった。
再開を信じていたし、その時には絶対行こうと思っていたからです。
関係者が贈るのが花ならば、ファンが贈るのは開店前の行列ですよ。
閉店時には、最高10時間以上とも言われる行列ができましたし、
この準備期間中に山岸マスターが脳出血で倒れられたそうで、
再開を心待ちにしていたファンがずらりと並んでいます。
テレビカメラも数台来ていました。
1時間前に到着。列は40~50人くらいかな。わたしの20人ほど前には
先日もテレビで爆食されていたラーメンクイーン・レイラさん、
4人前には4代目ラーメン王の立石憲司さん、
4人後ろにはラーメンデータバンクの大崎裕史さん。
しかしそのお3方よりわたしの心を捉えた方がいました。
それはわたしの前に並んでいた方。
ジャンパーにジーンズ、重厚なウォーキングシューズ。
若干ウェービーな髪に、ぎょろりと鋭い眼光。プチメタボリックなボディ。
いわゆる「ラーメン好き」には、マニア、フリーク、ラヲタ、など
色々な呼び名があります。それぞれ重なるものがあると思いますが、
この方はれっきとした「ラヲタさん」でした。
まず、独り言がとても多い。
どうやらラヲタさんの前に並んでいる親子連れに語っているようですが、
明らかに話しかけているならともかく、目線も向けず、微妙に独り言の
ような体で語っているので、親子連れもそうそう反応できずにいます。
押しつけがましくない主張は、まさにラヲタさんの真骨頂です。
ラヲタさんはスポーツ新聞を持参されていて、
そこには前日のプレオープンの記事が載っているのですが、
一向に読み終わりません。行列のあいだ中、目を通されていました。
しかもご自身の頭くらいの高さに、ずっと掲げ持っているのです。
大勝軒と新聞社のための、心優しい宣伝活動に違いありません。
「そっかァ〜3月に閉店してから1月に再開なんて早いよなあ〜」
「あの時は9時間並んだからなあ、9時間…」
親子連れの女の子(小学3年生くらい?)だけが反応して、
じろっと顔を覗き込んでいます。そんな目で見てはいけません。
山岸マスターが道の向こうから現れれば、
並んでいる一同もざわめき、色めき立ちますが、ラヲタさんは
「あの人の本、まだ買ってないんだよなあああ〜!」
と楽しそうに大声で語ります。
奇特にも、山岸マスタ−が本を出されていることまで宣伝。
わたしの後ろの人たちが「席数は20席近くあるみたいだよ」
と話せば、ラヲタさんは
「あっそうかー、ってことは増えたんだなあ〜うんうん」
と、まるで返事をしたかのように大きな声をダダ漏れさせてまで、
なにやら分析に没頭されています。
大崎裕史さんが現れれば、
「あっ! 大崎さんだ! ラーメン界のカリスマの大崎さんですよ!!」
頼まれなくても、周囲に大崎さんの自己紹介を買って出る。
自転車が通れば、通行の邪魔にならないようビクっと反応します。
たとえ自転車と1メートル以上離れていても壁際に体を寄せ、
バッグを体に密着させます。この過剰なまでの心遣い。
やがて10分ほど沈黙されてしまったのですが、
店が近づいたとき、彼の動きがあわただしくなりました。
その場所は、新聞記事の写真と同じアングル。
店の左側には、おやつカンパニー、秀さん、河原成美さん、佐野実さん
などからの贈花が飾られていたのですが、
どうやらラヲタさんはそれが気になったのか、チェックを始めたのです。
前日と花の配置が変わっていないか気になったのでしょうか?
実際の花と新聞の写真とを交互に見る。むろん、指差し確認です。
われわれ一般人にはまったく意味が分かりませんが、
きっとラヲタさんならではの意義があるのでしょう。
いつもなら持ってくる文庫本を忘れてしまったのですが、
彼のおかげでまったく退屈することなく並んでいられました。
さすがラヲタさんです。頼みもしないのに。

さて、入口付近で熱いお茶をいただき、いよいよ入店。
食券機には「特製もりそば」から「特製」の文字が消えてますね。
味はしっかりタレ重視の古き良き大勝軒スタイル。
麺は大勝軒なのだからもっと柔くてもいいかなと思いました。
店内外に10人以上の店員さんがいましたが、
わたしが食べていた時はかなり混乱してました。
あ、前の店舗からいるお兄さん、太ったなあ〜。
ラヲタさんはわたしの隣でしたが、ここでも一般人とは違う顔を見せました。
彼の注文が目の前に置かれたのに、なぜか受け取らない。
店員さんたちもその様子に「間違ったのか?」と戸惑っている。
「もりたまご大盛りですよね?」と説明し、ようやく納得した様子。
ラヲタさんには何でも鵜呑みにするような単純さはありません。
もりそばの大盛りはゆうに500g以上ありそうでしたが、
ラヲタさんはなぜか大量の麺を入れようとします。
たっぷり浸して食べたいのでしょうか?
しかしわからないのが、それを「いっぺんに」運ぼうとすること。
少量ずつつまみ上げず、横ざまにズルズルとつけ汁に引きずり込みます。
麺が落ちそう。だ、大丈夫? なぜそんなやり方を?
…ラヲタさんには己のセオリーがあるのです。愚問というものでしょう。
なにしろ名店の再開ですから、ラヲタさんは彼だけではありませんした。
ラヲタさんの向こう側の席にいたのが、ラヲタさんB。
彼は食後、新店主・飯野さんに話しかけたのですが、その話がまた長い。
3〜40秒も話していたでしょうか。この混雑時に。
飯野さんの顔には「厨房を仕切らなければ…」と書いてありましたが、
ラヲタさんBにはそんなの見えません。これも熱意の現れでしょう。
行列で待つ間に、大崎さんに年始の挨拶をしました。
「今年もよろしく…」と互いに頭を下げた途端…
「あの! 大崎さんですよねっ!!」
突然、割って入ってきた人がいました。
凄いタイミングと紅潮した頬でラヲタさんC登場。
40代とおぼしきその男性は、バッグから「月刊とらさん」を取り出し、
「これ、いつも読んでますっ!!」
と熱っぽく語ります。大崎さんは私とともに頭を下げ、
「こちらはイラストレーターさんです」とわたしを紹介してくれました。
「漫画を書かせていただいている青木です」わたしも名乗らせていただきました。
しかし彼には、どこの馬の骨ともつかない絵描きに興味はないようで、
わたしには一顧だに与えず、大崎さんに
「これからもガンバッてくださいっ!!」
と言って去っていきました。…そりゃそうですね(笑)
話を遮るくらい、大崎さんと話たかったのでしょう。
気持ちだけはとてもよくわかります。
それは食後、お店を出るときのこと。
お店で一番年かさの店員さんから、
「本日はどうもありがとうございました。またどうぞお越し下さい」
と、とても丁寧な挨拶をしていただいたのですが、わたしは気もそぞろ。
だって、その向こうに山岸マスターがいらっしゃるのです。
わたしもついつい、ぞんざいな会釈になったような気がします。
マスターと一緒に写真を撮っている人もいましたが、そんな真似はできません。
帽子をとって頭を下げ、ご馳走さまでしたを言って帰ったのですが、
その時わたしは寒気に包まれました。何故って、
山岸マスターの顔には、まるで店を始めた若者が初めて来た客に見せるような
微笑みが浮かんでいたんですよ。
厨房に立ってニッコリ笑っていたマスターを思い出しました。
今後も店に顔を出して、味のチェックなどをされるようです。
これからもお元気で頑張って欲しいものですね!

わたしは閉店の時は行けませんでしたが、そんなに惜しくはなかった。
再開を信じていたし、その時には絶対行こうと思っていたからです。
関係者が贈るのが花ならば、ファンが贈るのは開店前の行列ですよ。
閉店時には、最高10時間以上とも言われる行列ができましたし、
この準備期間中に山岸マスターが脳出血で倒れられたそうで、
再開を心待ちにしていたファンがずらりと並んでいます。
テレビカメラも数台来ていました。
1時間前に到着。列は40~50人くらいかな。わたしの20人ほど前には
先日もテレビで爆食されていたラーメンクイーン・レイラさん、
4人前には4代目ラーメン王の立石憲司さん、
4人後ろにはラーメンデータバンクの大崎裕史さん。
しかしそのお3方よりわたしの心を捉えた方がいました。
それはわたしの前に並んでいた方。
ジャンパーにジーンズ、重厚なウォーキングシューズ。
若干ウェービーな髪に、ぎょろりと鋭い眼光。プチメタボリックなボディ。
いわゆる「ラーメン好き」には、マニア、フリーク、ラヲタ、など
色々な呼び名があります。それぞれ重なるものがあると思いますが、
この方はれっきとした「ラヲタさん」でした。
まず、独り言がとても多い。
どうやらラヲタさんの前に並んでいる親子連れに語っているようですが、
明らかに話しかけているならともかく、目線も向けず、微妙に独り言の
ような体で語っているので、親子連れもそうそう反応できずにいます。
押しつけがましくない主張は、まさにラヲタさんの真骨頂です。
ラヲタさんはスポーツ新聞を持参されていて、
そこには前日のプレオープンの記事が載っているのですが、
一向に読み終わりません。行列のあいだ中、目を通されていました。
しかもご自身の頭くらいの高さに、ずっと掲げ持っているのです。
大勝軒と新聞社のための、心優しい宣伝活動に違いありません。
「そっかァ〜3月に閉店してから1月に再開なんて早いよなあ〜」
「あの時は9時間並んだからなあ、9時間…」
親子連れの女の子(小学3年生くらい?)だけが反応して、
じろっと顔を覗き込んでいます。そんな目で見てはいけません。
山岸マスターが道の向こうから現れれば、
並んでいる一同もざわめき、色めき立ちますが、ラヲタさんは
「あの人の本、まだ買ってないんだよなあああ〜!」
と楽しそうに大声で語ります。
奇特にも、山岸マスタ−が本を出されていることまで宣伝。
わたしの後ろの人たちが「席数は20席近くあるみたいだよ」
と話せば、ラヲタさんは
「あっそうかー、ってことは増えたんだなあ〜うんうん」
と、まるで返事をしたかのように大きな声をダダ漏れさせてまで、
なにやら分析に没頭されています。
大崎裕史さんが現れれば、
「あっ! 大崎さんだ! ラーメン界のカリスマの大崎さんですよ!!」
頼まれなくても、周囲に大崎さんの自己紹介を買って出る。
自転車が通れば、通行の邪魔にならないようビクっと反応します。
たとえ自転車と1メートル以上離れていても壁際に体を寄せ、
バッグを体に密着させます。この過剰なまでの心遣い。
やがて10分ほど沈黙されてしまったのですが、
店が近づいたとき、彼の動きがあわただしくなりました。
その場所は、新聞記事の写真と同じアングル。
店の左側には、おやつカンパニー、秀さん、河原成美さん、佐野実さん
などからの贈花が飾られていたのですが、
どうやらラヲタさんはそれが気になったのか、チェックを始めたのです。
前日と花の配置が変わっていないか気になったのでしょうか?
実際の花と新聞の写真とを交互に見る。むろん、指差し確認です。
われわれ一般人にはまったく意味が分かりませんが、
きっとラヲタさんならではの意義があるのでしょう。
いつもなら持ってくる文庫本を忘れてしまったのですが、
彼のおかげでまったく退屈することなく並んでいられました。
さすがラヲタさんです。頼みもしないのに。

さて、入口付近で熱いお茶をいただき、いよいよ入店。
食券機には「特製もりそば」から「特製」の文字が消えてますね。
味はしっかりタレ重視の古き良き大勝軒スタイル。
麺は大勝軒なのだからもっと柔くてもいいかなと思いました。
店内外に10人以上の店員さんがいましたが、
わたしが食べていた時はかなり混乱してました。
あ、前の店舗からいるお兄さん、太ったなあ〜。
ラヲタさんはわたしの隣でしたが、ここでも一般人とは違う顔を見せました。
彼の注文が目の前に置かれたのに、なぜか受け取らない。
店員さんたちもその様子に「間違ったのか?」と戸惑っている。
「もりたまご大盛りですよね?」と説明し、ようやく納得した様子。
ラヲタさんには何でも鵜呑みにするような単純さはありません。
もりそばの大盛りはゆうに500g以上ありそうでしたが、
ラヲタさんはなぜか大量の麺を入れようとします。
たっぷり浸して食べたいのでしょうか?
しかしわからないのが、それを「いっぺんに」運ぼうとすること。
少量ずつつまみ上げず、横ざまにズルズルとつけ汁に引きずり込みます。
麺が落ちそう。だ、大丈夫? なぜそんなやり方を?
…ラヲタさんには己のセオリーがあるのです。愚問というものでしょう。
なにしろ名店の再開ですから、ラヲタさんは彼だけではありませんした。
ラヲタさんの向こう側の席にいたのが、ラヲタさんB。
彼は食後、新店主・飯野さんに話しかけたのですが、その話がまた長い。
3〜40秒も話していたでしょうか。この混雑時に。
飯野さんの顔には「厨房を仕切らなければ…」と書いてありましたが、
ラヲタさんBにはそんなの見えません。これも熱意の現れでしょう。
行列で待つ間に、大崎さんに年始の挨拶をしました。
「今年もよろしく…」と互いに頭を下げた途端…
「あの! 大崎さんですよねっ!!」
突然、割って入ってきた人がいました。
凄いタイミングと紅潮した頬でラヲタさんC登場。
40代とおぼしきその男性は、バッグから「月刊とらさん」を取り出し、
「これ、いつも読んでますっ!!」
と熱っぽく語ります。大崎さんは私とともに頭を下げ、
「こちらはイラストレーターさんです」とわたしを紹介してくれました。
「漫画を書かせていただいている青木です」わたしも名乗らせていただきました。
しかし彼には、どこの馬の骨ともつかない絵描きに興味はないようで、
わたしには一顧だに与えず、大崎さんに
「これからもガンバッてくださいっ!!」
と言って去っていきました。…そりゃそうですね(笑)
話を遮るくらい、大崎さんと話たかったのでしょう。
気持ちだけはとてもよくわかります。
それは食後、お店を出るときのこと。
お店で一番年かさの店員さんから、
「本日はどうもありがとうございました。またどうぞお越し下さい」
と、とても丁寧な挨拶をしていただいたのですが、わたしは気もそぞろ。
だって、その向こうに山岸マスターがいらっしゃるのです。
わたしもついつい、ぞんざいな会釈になったような気がします。
マスターと一緒に写真を撮っている人もいましたが、そんな真似はできません。
帽子をとって頭を下げ、ご馳走さまでしたを言って帰ったのですが、
その時わたしは寒気に包まれました。何故って、
山岸マスターの顔には、まるで店を始めた若者が初めて来た客に見せるような
微笑みが浮かんでいたんですよ。
厨房に立ってニッコリ笑っていたマスターを思い出しました。
今後も店に顔を出して、味のチェックなどをされるようです。
これからもお元気で頑張って欲しいものですね!
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お正月中に溜まっていたお仕事を結構こなし少し余裕が出来たので今日は一段落でOFFにした、まあ昨夜の呑み過ぎでちょっと二日酔いの感じもあ...
〜祝〜開店・・東池袋大勝軒本店@南池袋【麺類風土記】at 2008年01月17日 21:01
この記事へのコメント
ラオタ人類学者のような観察力と文章力。惚れ惚れします。もう、山岸さんよりこちらに頭が行ってしまいます。
Posted by satomim at 2008年01月07日 03:37
笑わせて頂きました★
私の周りも個性的な方が沢山いらっしゃって楽しかったです(笑)。
ちょうどすれ違ってしまったようで、ご挨拶出来ず失礼しました!
私の周りも個性的な方が沢山いらっしゃって楽しかったです(笑)。
ちょうどすれ違ってしまったようで、ご挨拶出来ず失礼しました!
Posted by レイラ at 2008年01月07日 03:38
●Satomimさん
どうも、ラヲタ人類学者の青木 健です。
って、イヤだあそんな肩書き!!!
せっかくの日記がラヲタ色に染め上げられてしまいました。
さすがラヲタさんです。
●レイラさん
コメントありがとうございます。
こちらこそ、レイラさんがお店から出てこられた時に
気付いたので、「あ〜」と思いながら失礼しました!
レイラさんのまわりの個性的な方(笑)にも遭遇したかったです。
おめでたい日ということで皆さんかなりハイでしたね〜。
どうも、ラヲタ人類学者の青木 健です。
って、イヤだあそんな肩書き!!!
せっかくの日記がラヲタ色に染め上げられてしまいました。
さすがラヲタさんです。
●レイラさん
コメントありがとうございます。
こちらこそ、レイラさんがお店から出てこられた時に
気付いたので、「あ〜」と思いながら失礼しました!
レイラさんのまわりの個性的な方(笑)にも遭遇したかったです。
おめでたい日ということで皆さんかなりハイでしたね〜。
Posted by 青木 健 at 2008年01月07日 19:54
先日はどうもありがとうございました。
また文中でも思いもよらないご紹介有難いです。
今後とも宜しくお願い致します。
かってながらTB送りました(^^)
また文中でも思いもよらないご紹介有難いです。
今後とも宜しくお願い致します。
かってながらTB送りました(^^)
Posted by うらちゃん at 2008年01月17日 21:03
●うらちゃん
こちらこそ〜。
リンクにTBもありがとうございました。
今後もご自由にお送りください。
よろしくお願いします!
あ、敬称重なっちゃうので、
「さん」をつけるのやめますね(^-^;
こちらこそ〜。
リンクにTBもありがとうございました。
今後もご自由にお送りください。
よろしくお願いします!
あ、敬称重なっちゃうので、
「さん」をつけるのやめますね(^-^;
Posted by 青木 健 at 2008年01月17日 22:15

